『世界が君の色で染まるまで、私は孤独な魔法を抱く』

さんたな

​【プロローグ】 灰色の卒業式

​私の世界は、いつだって鮮やかで、残酷だ。

​空を飛ぶための風は「翠(みどり)」。

傷を癒やすための水は「蒼(あお)」。

敵を焼き尽くす炎は「紅(あか)」。

​この国では、生まれ持った魔力の色が、そのままその人の価値になる。

​色が濃ければ濃いほど、高貴で強い。

色が混ざれば混ざるほど、美しく尊い。

​じゃあ。

​そのどれでもない、

絵の具を洗った後の水みたいな、

空っぽの「無色」を持って生まれた私は?

​ゴミ溜め以下の、欠陥品。

それが、私。

​リナ・ベルンシュタイン、17歳。

​今日、私はこの魔法学園を

「魔力ゼロの落ちこぼれ」として追放される。

​はずだった。

​あの、漆黒の瞳をした彼が、私の手を取るまでは。

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