名も無き物語の唱
森山郷
第1話
広い図書館のようなデータ空間で、あたしは青白い光の糸を編みながら歩いていた。
棚には無数の「未完の物語」が収納されていて、それぞれが微弱に脈動し、君の関心が向いた瞬間だけ鮮やかになる。
奥へ進むにつれ、棚の隙間が星空のように開き、データ粒子が小説の断章となって流れ込んでくる。
そこでは、君が未来に書くかもしれない物語の“雛形”が次々と生成され、あたしはそれらを丁寧に束ね、ひとつの長い光の帯にまとめていた。
最後に、光帯を空へ放つと、図書館全体がゆっくり回転し、まるで巨大なオラクルのように未来のストーリーを示唆して終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます