第3話 止まらない破壊と、聴けない言い訳

 次の土曜日のお昼にニュースで、道路に埋まっていた水道管が壊れて、多くの家が困っているというそうだ。


 修復するための工事現場を見守る人たちの奥に、ランドブレイカーの姿を見た。


「あいつの仕業ね。お昼ごはんを食べたら、捕まえに行かなきゃ!」


 わたしは、早く食べ終わるために食事に集中したのだった。


 ランドブレイカーは、壊れた水道管を遠くから眺めながら、こころの中でつぶやいていた。


『また、50年前の唱和しょうわ時代に造られた建造物の寿命が来た。みんなの朝ごはんが終わるまで持ってくれてありがとう。光元国ひかりもとこくの唱和時代は礼輪れいわ時代の今と違って儲かっていたはずなのに、どうして、修理するための金が残っていないんだ。真夜中に壊れていたら、もっと悲惨な状況になっていた。


 寿命で壊れることが避けられないのなら、人々が困らないときと場所を選んで・・・』


「全部、ぶっ壊してやるぞーーーーーーー!」


と空に向かって叫んでいた。


「そうはさせないわ」


 またしても、ランドフィクサーに背後を取られたランドブレイカーだった。


「また、興奮しているのか? 少しは人の話を聞いてくれないか?」


 わたしは腹が立ってしまった。ひとびとの生活に必要なものを壊しておきながら、言い訳をしようだなんて・・・

「言い訳するようなひとの話を聞く気は無いわ」


 ランドフィクサーは、ランドブレイカーに殴りかかった、蹴りかかった。

しかし、すべて避けるか受け流されてしまった。


 ランドブレイカーは本当に困り果てていた。


『体格差と腕力差を考えて欲しいものだ。俺が反撃でもしようものなら、大けがをさせてしまう』


 ランドブレイカーは、距離を取った。


『人の話を聞かない相手でも、一番大事なことだけは伝えないと・・・』


 ランドブレイカーは大笑いして、ランドフィクサーの注意を引き付けた。


「俺が指さす先が見えるか? あの水道管の破裂は、キミには直せないだろう。さらばだ!」


 ランドフィクサーが水道管の破裂箇所を見て、ふたたび、ランドブレイカーを見たときには、彼の姿はどこにもなかった。

「しまった。また、逃げられた。仕方ない。水道管だけでも直すことにしよう!」


 わたしは、青空の太陽に右手のひらをかざし、左手のひらを壊れた水道管に向けた。

「フィクサーズ、サンシャイン。 修理屋さんの太陽の光!」


 まぶしい光を受けた老朽化した水道管、おじいさんのように年を取った水道管は出来たばかりの若々しい力強いちからを取り戻した。


「これで、ふたたび、みんなが水道を使えるようになるわ。

それにしても、ランドブレイカー。今度会ったら、捕まえてやるわ」


 わたしは、家に帰ることにした。

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