第2話 地球って動物園だよね

〜前回のあらすじ〜

*

「あとね、まずは生物帯に空飛ぶうどん足しといたわ」


「バカっすか」

*



「バカじゃないよ?!だって、お腹空いたらその辺に飛んでるうどんパクって食べれるんだよ、夢みたいじゃん!」


「なんすか‘空飛ぶうどん’って。今まで一度もそんなの作らなかったじゃないすか。」


そう、ナズナがふざけて生物帯に意味不明なものを足すのは初めてなのである。


「強いて言えば…真面目すぎる世界に安心感を与えたんだよ。」


「意味わからんっすね」


「ちょっと二人とも、おしゃべりしてないで働いてちょうだい、忙しいのだから。」


言い合う生徒たちに、胃を痛めながらも神代が注意する。


「はーい」と二人は返し、また黙々と作業を始め…たかと思ったらナズナがすぐに立ち上がり、神代へ話しかけた。


「神代先生、この新しく追加された、‘人間’っていう生物帯ってどう使うんすか。」


‘人間’とは、生物帯に設置可能な新しい生物なのである。扱いは難しく、神の世界ではあまり好まれない生物帯だ。


「あ、人間?まずは200人ずつくらい適当に陸の上に散りばめて、年齢って部分は1〜80って設定したらいいわよ。でも、大丈夫?人間はかなりコントロールが難しいらしいわよ?」


「…こうか。ありがとうございます。大丈夫っです。神になるならこのくらいできるようにならないと。」


ナズナは少し満足げに席へ座り、またカタカタと作業を進める。


この謎は自信はどこからかわからない。


ナズナの夢は、戦争もない、喧嘩もない、何もかもが平和な世界を創ること。なのに、その夢はマサノリの世界で終わってしまった。


ーーーー

マサノリ(生物時代):わあ、平和な世界だー

ナズナ:あれ、世界の寿命きちゃった。この子いい子だったし、こっち連れてきちゃおー

ーーーー


というので終わった。


あと少しの努力、少しの努力と寝ずに何度も何度も挑戦しては失敗し、ほぼ挫折寸前だった。

そして、この今作ってる世界は、3467回目の挑戦である。ただもう、ほぼ諦めている。


「あー、なんか人間さんただただ話して歩いてるだけだなー、つまんなーい、なんか文明開発してよー」


「何度も別の世界で話して歩くのなんて見てきてるでしょう?」


「だってあれ猿とかじゃないですか。面白いじゃないですか。」


動物園気分で世界を見守る神様。


「ナズナ先輩、そんな気持ちで僕を見ていたんですね」


そして少し傷つく部下。



本当に神頼みできないような神様たちだ。

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