1-2:「警官」

ジジッ ブツッ


無線『東交差点前、森林公園で不審者情報とのこと。』


警官A「了解、至急向かいます。」

警官B(運転席)「全く嫌んなっちゃうよな、こんな日にさあ…」

「世の中は最高にクリスマスムードなのに…俺たちは浮いた話の一つもねえ」

警官A「信号青ですよ」

警官B「はいはい…クリぼっち同士、なかよくお仕事ってね…」


車窓から上の方の空に目を向ける、

嫌がらせみたいな、それは綺麗な満月が煌々と都市を照らしていた。

視界の先に電信柱が映る。

鴉が数羽、止まっている。

夜だというのに、その濡羽色は月明かりを受けて艶々と照りついている。

夜より昏い、闇の黒さ。

キョロキョロと目と頭をあちこちに向けている。


「………?」



目が合った気がした。

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