【出所不明の都市伝説】「2025年大学生五名失踪事件」
藤城ゆきひら
プロローグ
「ねえ、翔子、ネットの都市伝説、『2025年の大学生五名失踪事件』って知ってる?」
放課後の教室で、スマホをいじっていた沙月が、向かいの席の私に顔を上げた。
窓の外では、まだ部活の掛け声がかすかに聞こえている。
「何言ってるのよ、今2024年じゃない」
「そうなんだよね。でも、ネットの都市伝説として噂になってるんだ。
2025年に卒業旅行に行った大学生五人が、まとめて行方不明になるんだって。
だから、2025年に卒業旅行は行かないほうがいいって」
そう言って、沙月は画面を見せる。
よくある都市伝説系の動画チャンネルでは、2025年に発生した“事件”の詳細が語られていた。
曰く、化け物が五人を食い殺しただの、UMAだの、宇宙人の連れ去りだの……。
「事件というよりも、予言じゃない。バカバカしい」
私は心底あきれたように吐き捨ててしまった。
「でも、もし本当だったら、私たちの卒業旅行も避けたほうがいいのかなぁ」
「仮にそれが事実だとしても、私たちは高校の卒業旅行でしょう。大学生五人じゃないから大丈夫よ」
私の言葉に、沙月は驚いたような顔を見せ、そのあと笑顔になった。
「翔子、天才じゃん! 気兼ねなく卒業旅行ができそうだね!」
「はいはい、私は天才よ。じゃ、卒業旅行の計画をもう少し考えましょうか」
そんな会話をして、私たちの放課後は過ぎたのだった。
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