ー情報屋ー絶対中立は虹に染まる

@tokutyan

プロローグ

ステイル王国。

人間至上主義を掲げ、王の意志が絶対とされるこの都市では、 真実さえ、王の都合で書き換えられる。


だが、どんなに統制された街にも、噂というのは必ず漏れ出すものだ。


その噂は、王城から遠く離れた貧民街の最奥で囁かれていた。


――「どんな情報でも、金で買える男がいるらしい」


貧民街の地下にある古びた酒場の奥。

いつの頃からか、誰もその店の名を呼ばなくなった。

ただ、“灰色の情報屋”がいる場所とだけ語られている。


灰色のマントに身を包み、顔を隠し、無表情で応対する男。


金さえ積めば、魔族の動向、王族の醜聞、盗賊の隠れ家―― あらゆる情報を売る。


その代わり、“代償”は高い。


金貨百枚を要求された者もいれば、

支払いに失敗し、借金奴隷に堕ちた者もいるという。


なかには、女でも男でも──

その部屋に入って、二度と出てこなかったという噂もある。


それでも、今日もまた、物好きな客が扉を叩く。


真実を手にするために。

あるいは、野望を叶えるために──。

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