第3話 アスターテ皇国1(エカリテ1)

アスターテ皇国 ブルーム侯爵家 長女 エカリテ=ブルーム



私エカリテは産まれたときから皇妃となる定めでありました。


そんな環境で育った私にとって、

父は父でなく

母は母でなかった。


それでも皇妃になるという私の立場のみを見て、兄は私を疎んでいた。


そうして私は産まれてからずっと誰からも、愛されることがなかった。

産まれた時から私は皇国の歯車として、

皇国の頂点である皇帝を支える存在としてあるようにと、そのためだけに教育されてきました。



私にとっての毎日は、同じことの繰り返しを求められていました。

簡単に言えば、食事は決められた分量のみで

家庭教師は過不足なく私を教育していくのみでした。


そうしてできあがった私は日々、何も感じることなく過ごしていました。

私はその日の決められた行程をこなすのみの毎日を繰り返し続けていました。



そんなふうに育った私は

何の楽しみもなく、

悲しみを感じることなく、


淡々と日々を過ごしていました。



何も感じることなく過ごす毎日が続く中、

皮肉にもそれがオカシイと

一番最初に気がついたのは、




私を疎み


私を居ないものとして

ずっと無視し続けていた、

私の兄だったのです。





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