第2話 アスターテ皇国1
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった。
皇太子妃は出産時の出血により一時病床にあったものの、ゆっくり回復していった。体調にははほど問題なくなった。
だが、これ医師により以降の出産は難しいとされた。
やがて、皇太子は皇帝となり、
皇太子妃は皇后となった。
そうして皇国では、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。この皇太子以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きアスターテ皇国では
皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていると言われていた。
ただ、皇帝と皇后より
皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もある。
市井でも噂の妾妃であるが、この妾妃のことは誰にもよく分からないままだった。
しかも、残念なことではあるが
この妾妃 産まれも育ちも定かではない。
しかも、後ろ盾も何もないただの一市民であった。
この妾妃が何故、皇后の侍女となったかも全くもって不明であった。
さて、この妾妃の娘であるマリアーナ。
マリアーナははたしてどのような娘なのか…
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