【短編】少女と人形ーー転生先は「人形の国」でした。
佐倉美羽
プロローグ 誰かの思い出
白い部屋の片隅で、少女と人形は二人きり。二人は大切なお友達。
何も話せない人形に、少女はたくさん愛を注ぎました。髪を撫でて、本も一緒に読んで、壊れたら直してあげて。人形は動かない指先で、ただ少女の瞳を見つめていました。それだけで、二人は幸せだったのです。ベッドの上は彼女たちの遊び場。世界のすべてでした。
「あなたは、私の一番の友達だよ」
その言葉は、人形の胸にあたたかな何かを灯しました。心臓は無いはずなのに。でも、それはとても大切な言葉。だから、もし、人形に言葉が届いていのなら……。どんなことがあっても、その言葉だけは忘れないでしょう。
――絶対に。
つづく
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