第10話 海の幸を頂く

何も無い海の上を飛んでいると眼下に異様な光景が広がっているのが見えた。

「じいじお魚が飛んでいるよ」

「ん、トビギョじゃな。おおあっちには海鳥が群れておるな海の中では小魚が大群で泳いでいるのじゃろうな」

だんだん夕方になる。この辺で船の上で夕食を取ろうと、コランは中型漁船を取り出して海に浮かべた。

「今夜は船で寝るぞ」

「うん」


今日は海も凪がいいから船酔いもしないと思うが、自分とミチルと、ピーチと、ユニコーンのユニー(ミチル命名)に酔い止めの仙術を掛けて置いた。

船を海に浮かべた途端トビギョが次々と船に飛び込んで来た。

そして船の近くでは海鳥が海中に次々に突っ込んでは小魚を捕獲している。海中には

黒い小魚の群れが泳ぎ回っている。

すると海中の底から巨大な何かが猛スピードで浮上してくる。危険を感じてとっさに船を1㎞その場所から転移させた。

海中から超巨大な口が海上に浮き上がり多数の小魚と海鳥を飲み込んで水しぶきを上げて海中に潜っていった。

「危なかったあそこにいたら儂らも飲み込まれていた所だった」

「じいじあれなあに?」

「メガホエールだな全長約500m、開けた口の大きさ横10m縦50mの化け物クジラじゃ」

小魚の群れが分断されて、群れが薄くなっていた。

海上には衝撃で魚が気を失って浮いている。海鳥がそれを捕獲している。

コランとミチルは嬉々として、気を失っている小魚を仙力網で捕獲した。

やがてその海域には小魚の群れも海鳥の群れも居なくなってしまった。

コランは船を自動操舵に切り替えて東に向かって走らせた。

船内ではコランが戦利品の海の幸を分別していた。

「小魚はシンイワシ(マイワシ)だった、それにトビギョが混じりそれらを追っていたブーリ、ヒーラマーサ、カンパンチらも混じっていた。

ミチルと2人だけでは数年かけても食べきれない数量だった。

この世界でも生魚には猛烈な腹痛を引き起こす寄生虫が体内に居ることが多いので、熱を通すかマイナス30℃で24時間冷凍しないといけない。だが、仙術には寄生虫消滅術が有る。これならすぐにでも刺身で食えるのだが、魚によっては死んですぐは硬くて不味いものも有るので熟成させた方が良い。

仙術は時間操作術も使えるので熟成期間を大幅に短縮出来る。熟成完了したものを時間停止空間に移して保存しておくのだ。

今夜は焼き魚と煮魚とお刺身盛り合わせのパーティーだ。

従魔のピーチとユニーも精霊獣なので食事をしなくても生きていけるが主従の関係を良好に保つために人間の食べる食事を一緒に取ることも多い。人前では草食動物らしく草を食べていることが多いのである。


「「「「頂きまーす」」」」

錬金術で作ったご飯と味噌汁、醬油とワサビで刺身を頂く。塩焼きの魚、フライ、煮つけを腹一杯食べた。船内は高級ホテル並みの部屋になっている。この船は波の影響を受けない。風呂も揺れないのでお湯も動かない。船酔いもしないだろう。

船は自動操舵で東へ東へと走る。障害物を探知するレーダーも付いているし見張りも必要ないがユニーとピーチが見張りをかってでてくれたので任せることにした。

お陰でコランとミチルはぐっすりと眠ることが出来た。

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