第7話 「平成一桁仙台ランチ慕情(1)」~月桂冠のお袋さん1~
『野原ひろし 昼メシの流儀』
現在アニメ放映中で、以外にも人気が出ている。
私は何年か前から、単行本でずっと読んでいるので好きな作品だ。
アニメ化されると知って、最初は心躍ったが
画像はCGでカクカク動くいわゆる「中予算アニメ」と知って消沈した。
でも好きな作品だから、私は視聴しようと見ていたら
なんか凄い人気上がってるんですが?!
見た人から「面白い」と声があがる
特に私の好きなニコニコ動画では「ニコニコ向き作品」と絶賛
森川さんが演じて頂いているのも好感が持てる。
『昼メシの流儀』を観ているて、私の記憶がウズウズした。
よし、このエッセイしばらくは
私が社会人になって間もない時代の、ランチ話をしてみようじゃないかと。
まずは記念すべき一回目。
その店の名は『月桂冠』
それ日本酒のメーカーですね?と、誰もが思うでしょう。
はい、月桂冠が経営している居酒屋が、仙台にありました。
私にとって、お気に入り店でした。
私の勤めていた会社は仙台駅前にあり、周辺は飲食店が多い。
当時のランチは平日600-700円で、まあ出せない額ではない。
そして私は
・皆とワイワイ飯食べるの苦手
・昼休みにまで、オフィスにいたくない
・一人でやりたいことがある
・etc....
という特性上、ランチは一人で店で食べてました。
私が社会人になった平成元年は、1989年です。
男女雇用機会均等法は、1986年に制定されました。
まだ「女性が働く」という事に馴染めなかった時代です。
そんな中、ランチの時間に会社の制服着たオナゴが
一人で店に入って、一人で食事している。
まー浮いてたでしょうね。
実際どの店も、女性ひとり飯なんて、殆どいなかったな。
恥ずかしいとか肩身が狭い気持ちは、不思議と全くありませんでした。
だってちゃんとお金出して、大人しくご飯食べるだけだもの。
迷惑かけないもん。
って居直り感の方が強かった。
はいでは『月桂冠』に入ってみましょうか。
店内は、4人掛けのスペースに仕切られていて
40-50人くらいは入れたのかな、居酒屋では中堅といった広さ
店に入って、右側二つ目のブースの席がお気に入りでした。
その席が空いていれば座ります。
ランチの定食は何種類かあったけど、お気に入りは二つ
唐揚げ定食と、ホッケ焼き定食。どちらも630円コーヒー付き。
当時は一人用のカウンター席とかありませんでした。
なので一人で座っていると
「相席いいですかー?」
と声をかけられる。あ、どうぞどうぞ。
かくして知らないサラリーマンさんと向かい合ってご飯食べるのも愛嬌。
初めて『月桂冠』に入って、唐揚げ定食を食べた時の衝撃は忘れない。
だって唐揚げが
「実家の味と同じ」だったんですもの。
自分の家庭と他所の家庭の味は、異なると思います。
みんな違ってみんないい、それでいいじゃないの。
なので外食も、別に家庭の味は求めていない。
その店のその味でいいじゃないの。
でも
親元から離れて、寮生活のマズイ飯を経て
自分で食事作って、店の食事食べて
実家の味からは、どんどん離れて行った。
そんな中、仙台の街で突然現れた
「我が家の味唐揚げ」
醤油、生姜、酒で漬け込み、片栗粉をまぶして揚げるがウチ流
『月桂冠』の唐揚げは、それと同じだった。
郷愁に浸るとはこういう事なんだと、味わいながら思う。
それから『月桂冠』はお気に入りに追加。
今の言い方なら「リピ確定」
ホッケ焼き定食も美味しかった。
程よく油が乗って食べ応えもある。
両親はホッケが苦手だったので実家の食卓には上らなかったが
美味しいじゃないのホッケ、白飯に最高にマッチする。
そうして私は、週に一度『月桂冠』に行く。
店員さんにも顔は覚えられ、特に丸い顔の笑顔が素敵な
40代くらいのおばちゃ…ご婦人店員さんは
なんか私がくると嬉しそうにしてくれる。
ある日の『月桂冠』、お気に入りの席は空いてなかった。
絶対にそこに座りたいという欲は無いので
別の空いている席に座った。
顔なじみのご婦人店員さんが、お茶を持ってくる。
笑顔で茶を置いて、大き目の声で言った。
「今日はあの席、空いてなくてごめんねぇ~!!」
い…いやいいんです。
確かにあの場所は好きですが、固執はしておりません。
まあ私の身を気遣って言って頂いたとは思いますが
それよりも、唐揚げ定食、下さい。
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