このお話は現代ファンタジーでは珍しく、静かな始まりから世界へ飛び込むことになります。主人公カガリくんは特別な力を持つゆえに大人びていますが、親しい者の前では子供らしい感情を見せたり、特殊な事情から苦悩したりと非常に年頃らしい姿が伺えます。
だからこそ見る人によってはカガリくんの待ち受ける運命が重すぎるとしても、自分なりに前を向いて未来へと進んでいく姿勢は子どもだけではなく、大人にも響くものがあると言えます。
また世界の設定がしっかりとされており、普通ならば専門用語が多いと混乱するところを作者の技術により、想像しやすくなっており、軽いながらも重厚で一味違う現代ファンタジーと言えます。
ライトノベルでありながら、本格的な世界へ飛び込みたい方はぜひ、読んでみてください。
西暦2026年。地球外生命体ヴォイドフォークが地球を襲い、人類は侵略者の「異髄」を浴びて超常の力を得ることで対抗していた。
不知火カガリ、18歳。英雄と讃えられた母を失い、6歳で地球外生命体の血を直接浴びて生き残った——前例のない「異血覚醒者」。
圧倒的な戦闘力と2つの異髄力を持ちながら、カガリの心には迷いがあった。これは本当に自分が選んだ道なのか? それとも周囲の期待に押し流されただけなのか?
初陣で4体を瞬殺し、同期を圧倒する実力を見せつけた日。初めてカガリは確信する——「これが、オレのやりたかったことだ」
だが、人類の敵は地球外生命体だけではない。侵略を歓迎する謎のカルト教団「空蝕」が暗躍を始め、戦場は予測不能な方向へ——
SF×軍事アクション×青春群像劇。異能バトルの新境地がここに!