救ってくれたのは幼馴染でした
ユり愛
独り…?
高校一年の俺――
「それでさ~……」
「マジ!?」
「この前やってた…」
「あ~あれね」
「あれマジ神だったよな!!」
四人でいるはずなのに、俺だけ取り残されている気がして独り、虚しくなる。
「りゅう?置いてくぞ?」
無意識に俺は歩みを止めていたらしい。
「ごめん。忘れモンしたっぽい!」
「え?マジ?」
「おう、待っててもらうの悪いから先帰ってて!じゃあな!」
そう言って昇降口とは反対の方向へ向かう。忘れ物なんてしていない。
ただ、一刻も早くあの場から離れたかった。逃げ出したかった。
向かった先は屋上、扉を開くと涼しい風が吹いてきた。フェンスの近くに行き考え事をする。
俺、あそこにいる必要ある?…でも、あそこ抜けたら俺は……独り。
友達付き合いが苦手な俺は今、必死に取り繕っている。しかし三人についていけず、段々と限界が近づいている。
「はぁ~…」
ため息をつき、空を見上げる。空には一面雲が広がっていて今にも雨が降りそうだった。
俺の、心みたい。
答えが出ないことに一生モヤモヤ悩んでいて、今にも泣きたい出したいくらい辛い。そんなことを考えていた直後。
「
急に名前を呼ばれ、肩を震わせる。振り向くとそこにはいつも会話の中心にいる
そんな
「
「どうした?」
俺の言葉を遮り、
「泣いてるけど」
頬に触れると確かに濡れていた。
「一緒に帰ろ」
学校を出てしばらく歩く。隣を歩く
「…何も聞かないんだ。」
「そりゃ色々聞きたいよ。何で嘘ついて屋上に行ったの?とか何で泣いてたの?とか。でも無理に聞き出す必要ないと思って。」
「……実は、少し前から俺は必要とされてないんじゃないかって思うようになって…。今日も話に入れなくて、別にいなくてもいいんじゃないかって…」
「…ごめん。」
「いや、俺が勝手に思ってただけだし、それにあいつらにそのつもりは全くないだろ?」
「それはそうだけど…僕は
「え、そんなあからさまに暗い顔になってた?」
「うん。なんか、月曜の朝みたいな顔してた」
「なんだその例え!」
顔を見合い、二人で笑い合う。笑い合ったあと、
「くだらないことでも、悩んでることでも、何でも話してよ。僕は
「…うん」
そう言った
それに応えるように涙を堪えながら、笑って返す。
そう強く思った。
俺の悩みと同時に空が晴れた気がした。
どうかこの晴れが、ずっと、続きますように――
救ってくれたのは幼馴染でした ユり愛 @y_lia
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