その国の住人は寿命の見える生命時計を持っている、魔女の呪いとして。

ウィジットは願っていた、皆に看取られて穏やかに死にたいと。
この国では、皆自分の寿命を知っている。
彼の時間は長くない。

だが、彼の幼い妹ミッティが彼よりさらに短い寿命を終えたことで、願いは狂いだしてしまう……

願いによって呼び出されたもの、生み出されたものは秩序を越えようとし、そのことで秩序を守るものが呼び出されてしまう物語。

そこにあるのは悪ではなくて、ただ切なる願いと守ろうする者の衝突なので、どちらの側に立つべきか迷います。
分かるのは、正論は人を救うわけではないということだけです。

ただ彼が精一杯傷ついて望んだからこそ、罪の記憶と共に慈愛が残されたんだろうなと感じました。