第6話 ついに最後の打ち合わせへ そこへ現れたのは伝説の!!

「メキシコが負け、これで十敗、折り返しか」

「総理、他人事ではありません、次に戦うのは我々、日本です」

「そうだったな、宇宙軍との最終打ち合わせ、その前の対策会議だ」


 国会の地下にある秘密会議室、

 そこで様々な有識者や学者が集まり、

 知恵を絞るが『これぞ』というスポーツが出ないままでいた。


「官房長官、メキシコ敗戦の詳細を」

「はい、宇宙連合軍に勝つためメキシコ古来のスポーツ、

 馬術競技『チャレリア』を選びました、他にも闘牛が候補にあったそうですが」


 日本人には馴染みが無いが、

 メキシコでは有名らしい、なので条件は合っている。


「動物を使う競技は我々も考えたな、犬ぞりとか」

「宇宙人は地球側が用意した動物を、馬を難なく手懐けたようで」

「どうしようも無いな」「この分だと、こちらで用意した馬での『競馬』も負けそうです」


 何か無いのか……

 ここまでの十番勝負、

 善戦すら無いと言って良いようだ。


「このまま今日、アイディアが出なければ日本はどうなる」

投扇興とうせんきょうですね、宇宙側は、他に無くてどうしてもと言うなら、だそうです」

「……明らかに余裕だな」「負けるでしょうね」「負けるとわかって闘う馬鹿は居ないと思うが」


 何か、何か無いのか……!!


「ちなみに次から、十一戦目となる我々からは引き分けでも勝ちに」

「わかっている、引き分けの可能性の高いスポーツは無いのか、何か!」

「地球上のデータですとサッカーですが、無理かと」「どうせサッカー星人が出てくるな」


 ゴールマウスを全身で覆っていそうだ。


「いっそこうしてはどうでしょう」

「官房長官、何かここへ来て良いアイディアが」

「SASUKEはどうでしょう」「圧倒的な力で完全制覇されるぞ」


 しかも恐ろしいタイムで。


「それです」「どれだ?」「もういっそ、素晴らしいクリアを見せて貰いましょう」

「諦めろということか」「せめて、最高のお手本を」「闘う前に負けるのか」「良い物が見られますよ」


 コンコンッ


「誰だ」「ワシじゃよ」「副総理!!」


 タヌキ爺が今更、何を。


「ようやく見つけて連れて来たわい、入れ入れ」「失礼する」


 入って来たご老人に我々は驚く。


「知っている……貴方は、あの伝説のスポーツプロモーター……『ドン村林』では!!」


 日本人にして、世界最高の!!


「なんでも秘策があるそうじゃ、のう、村林」

「ああ、この戦争、宇宙人に勝てるスポーツは……ひとつだけ、ある!!!」

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