第5話 AIでも駄目 日本が縋るスポーツいや競技は
「やはりAIを駆使しても駄目だったか」
「はい総理、バングラデシュが各国の協力を得て、
世界最強のAIで挑んだチェス対決、72秒で負けました」
相手はチェス星人なのか宇宙連合AIなのか気になるが、
こちらの科学力でも到底、及ばないという事実を突き付けられた。
「次はロシアか、何で行くと」
「フィギュアスケートか、耐久コサックダンスか、もしくは戦争だと」
「そんなの地球にでかい穴が空いて終わりだろう」「せめてもの抵抗かと」
次の順番の事も考えて欲しい。
「芸術点の入る競技は共同AIが審査するのだったな」
「あとスキーのジャンプ競技も浮かんだそうなのですが」
「やはりスキー星人が」「いえ、空中に浮く宇宙人を見て、諦めたそうです」
こうなると人間の、
いや日本人ならではの特性を考えるべきか。
「こちらの、日本の案はどうなっている」
「これもスポーツとは言い難いのですが……
「芸者遊びか」「点数を競う、日本独自のスポーツとも言えなくも無いです」
さすがに『
「勝てるのか」「神が、669戦669勝の猛者が」
「それに賭けるか」「今のところは」「しかしなあ」
相手は振り方で好きにサイコロの目を出せる連中だ、
扇子の投げ方ひとつ、軽い練習で完全習得されても、おかしくない。
「他の案は」「花札、紙相撲、ゲートボール」「ゲートボール星人が来るな」
「あとクイズ対決」「どうせ奴らは地球を知り尽くしているのだろう、無理そうだ」
「古代オリンピック競技にもなったオペラ」「オペラ星人は見てみたいな、この侵略に勝ったら呼ぼう」
あいかわらずスポーツ一覧表を見るが、
勝敗がつく物はどれも勝てる気がまったくしない、
そして勝ち負けの無いスポーツは拒否される……これはもう詰みに近い。
「本当に起死回生の一手は無いのか」
「探しています、スポーツに限らず、にらめっことか」
「俳句、川柳」「それなら引き分けに持っていけるでしょうか」「いや、自分で言って何だが、スポーツじゃないと弾かれそうだ」
頭を抱える総理、
うなだれる官房長官。
(くそっ、誰か、誰でもいいから、助けてくれっ!!)
なお、ロシアはサンボ対決で敗れた。
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