時はVTuber戦国時代。
動画配信なんて腐るほど溢れている飽食の時代の中で、AIマッチングアプリなどというものに辿り着いた主人公の物語。
「いや、AIなんて胡散臭いし、ないわ……」と思いつつ、人気VTuberとコラボ出来るかもしれないという願望に抗えない主人公の即落ちっぷりに笑いがこぼれます。
結果的に人気VTuberとマッチングはしなかったものの、ヒロインとの出会いを果たし、オフコラボまで開催できる仲に発展。
その中でもお互いがVTuberという理想の姿を借りて配信していたものの、実際にオフコラボで会ってみると配信とは全く違う姿。それでもその「本来の姿」にこそ惹かれ合うふたり、というシチュエーションがすごく好きです。
リスナーたちの反応も概ね好意的でやさしい世界。どうしてこんなに登録者数少ないんだろう。
主人公とヒロインの夫婦漫才のような丁々発止のやり取りも読み心地がよく、スルスルと読めてしまいます。短編なのでお気軽にどうぞ。