おっちんt
@Oza1
第1話最終防御兵器ダウンジャケット
敬礼」冷たい汗の滴るでこ、本部長の挨拶を聞き逃すようなことは決してあってはならない。この場所を選んだのは他でもない自分自身であり、そのくせ何とかならないかとクソ思考を巡らせていることに思わず失笑してしまう。西暦30000年人類は第三進化を遂げ世界の真理を理解し遂に第五次元空間への干渉を可能とした。その場所はかつて人類が思い描いていた可能性の全てと異なっており、つまり干渉は成功したのだが到底理解できる代物ではなかった。人類は負けたのである。性の意味をもとめた大天才である人物が、4次元空間の干渉を成功した時人類は神とも言える力を手にし得た。その力のせいで一旦歴史や文化などのものは崩れイデアとかつて呼ばれていたものとは比べ物にならいくらいの理想を棲家とした、そこでの暮らしは完璧であった。人々は性欲を忘れ食を忘れ芸術を忘れ睡眠を忘れそして愛を忘れた。
田中まゆはそんな中仕事に明け暮れていた。障害者として生まれた彼女は三次元空間の人生を歩む唯一の第4次元人間であった。彼女はその日も帰りに弁当屋へと行き生姜焼き弁当かハンバーグ弁当かをまよいうちに帰り、追っているドラマをみながら日曜日達郎とどこでデートをしようか考えていた。達郎は背の高く顔の印象が薄い優しく儚い男だった、彼とのデートは日々の喧騒を忘れさせてくれ、時折感じる物悲しさを笑いへと昇華させてくれる存在であった。彼の色々なところが好みだったが特に彼の冷静な態度とやわらかい匂いが特別彼女を安心させた。ただ一つだけずっと引っかかるところがあった。彼の好きな映画についてだ。達郎は決まって内容の薄い映画を好み、本は本屋の店頭でどでかいポップの付いている啓発本しか読まなかった。
そのくせ彼女の好きな本や映画の話をしても聞く耳を全くもたずいつも受け流してくる。彼のそういうセンスのないところはちょっとしたストレスを感じるがそれゆえかやはり彼の安心できる部分でもあると納得していた。
そんな日常が壊れたのはある些細なミスを彼女がしてしまったことから始まった。
その日も彼女はハンバークか生姜焼きかで迷っていた。生姜焼きは出来立てが美味しい。ハンバーグは少し冷めても美味しい冷めてもデミグラスソースの濃厚ンマ香りと味が舌を刺激して脳に快楽物質をたくさん運んでくる。たくさん運ばれた快楽物質はやがて彼女のうんちを作る理由となりそのうんちを僕はとうとう盗んでしまった。
とうとうやったのだこれで僕の役目は果たされたも同然である。このうんちをこ煮込んで摂取することのどれおほどを望んだことかああ、神よ私はまた一歩真実へと近づいたんですねありがとうありがとう。水浸しのダウンジャケット
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