タクシー物語

違反

タクシー運転手にとって違反は事故の次に嫌なことだ。

点数がなくなって免停になったら仕事を休まなくてはいけなくなる。

最悪の場合、仕事を辞めることになる。

よく急ぎでお願いしますと気軽に言うお客さんがいらっしゃるがはっきりいって大迷惑である。

急ぎのために黄色信号を突破するのも制限速度をオーバーするのも運転手にとっては休職のリスクがあり生活がかかっている。

たった何千円のために違反のリスクを犯すことはできない。

だから運転手は急いでと言われるとわざとアクセルを踏んで音を鳴らしたりブレーキを強めに踏んだりして、急ぐフリをしてお客さんを納得させる。

新人の頃はバカだから、バカ正直に急いで違反してしまって、そのおかげで到着も遅れてしまったので怒られて料金をタダにしてその場を収めたことがある。

急いで、違反して、料金ももらえなかった。

最悪だった。。

もしも急いでと言って本当に急いでくれたら、運転手には最低でもチップはあげてほしい。