遠吠え
安蘭住信
本文
へッ!くだらねえバカヤロウ共!
きけ!バカヤロウ共!
オマエらなんてお天道様に比べれば小ッちゃいモノだ!
この悠然な大地に比べりゃ屁でもねェ!
どんなに偉ぶろうが所詮はヒトツの泥人形
頑張って頑張って固くなっても
いづれ壊れちまうんだ!
精々そこでオレをバカにしてりゃいいさ!
バカヤロウ共め!
サヨウナラ!
ーーーーーー
全てをやり切ったように貴方はいう
全てが無意味なように貴方はいう
ああ、それが何だというのだろう
貴方は太陽だ
どこまでも明るい太陽だ
一体貴方が何をしたというのだろう
一体貴方が何をしていないというのだろう
貴方が無くしたものが
一体どこにあるというのだろう
だって貴方は今でも燦然と輝いているのに!
ーーーーーー
街路灯のような月へ惑う掌よ
置いて行かれたかのような星の燐光
あの月は太陽だ。なによりも太陽に他ならない。
満月は孤独だ。溜め息のような薄雲が掛かっている。
電信柱の上の、灯台の月
ーーーーーー
雨は良い。
このまま全て洗い流してくれ。
不安も将来も、幸福だって。
この身を桎梏する全てが、屋根の間を道路の窪みを、哀しい谷の底を、ありとあらゆる沈みへと流れて、満たし、海を作ってくれたらいい
いつしかそこで泳げたならきっと、私は初めてあなたに遭いに行ける
遠吠え 安蘭住信 @tokumeinanonymous
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