青春の痛みと夢のきらめきが、まっすぐ胸に刺さる一作でした。千春の葛藤や衝動がリアルで、読んでいるこちらまで心を揺さぶられます。会話のテンポもよく、情景がすっと頭に浮かぶ文章力に引き込まれました。音楽に救われたことのある人、10代の頃“どうしようもなく苦しい夢”を抱えていた人なら必ず刺さると思います。読後感も余韻たっぷりで、心に残る作品でした。