スレ番42の偽桃色の休戦

 信仰魔法レベル1を取得した結果、保有EXPは2508となる。

 スキルポイントに直すと、50ポイント。

 とりあえずは、またEXP貯めて新しいスキル買うしかないか……

 そう思ってふと開きっぱなしだった信仰魔法のスキル取得画面を見る。


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信仰魔法レベル2 

取得必要ポイント 20スキルポイント

信仰の対象となる存在の性質によって、信者が様々な奇跡を行使する魔法

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 信仰魔法はレベル2でも必要ポイントが低かった。

 てっきりレベル1取得だけ低く、レベル2からは必要ポイントが跳ね上がると思っていたのだが……

 思わず画面をタップし、内容を確認する。

 

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レベル2:その存在は安寧の源泉 


効果内容:

簡易的な神域を作り出す。神域内は外界との物理的な繋がりが遮断される。HP、MPの回復速度も速くなる。


効果範囲:術者の精神力×1/100m、最大値以内なら、自由に設定可。神域の大きさによって必要MPの増減はない特に広さを設定しない場合、最大値で展開される。


消費MP:1時間あたり50MP


効果時間:消費MPに準拠、発動時に指定の必要あり。魔法発動後、展開した神域の解除は任意で出来るが、その場合、差分のMPは返還されない。

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 内容は一番求めていたセーフティゾーンを作る効果だった!

 現状、攻撃魔法は取得していないからMPは有り余ってるし、何の問題もなく使える。

 計算すると今の精神力でも、神域は約5m×5m程度、神域内に車を出していても余裕のある広さだ。

 更に車の外で足を伸ばしたりも出来る。


 なんて素晴らしい! ブラボー! ハラショー! エクセレント! 


 極度に感動すると語彙が減るっていうのは本当のようだ。

 欲しいと思った物が、そのタイミングで手に入る。

 これこそ、あのお方を信じる力が引き寄せた必然。


 何を迷うことがあるものか! 思いのままに、信仰魔法レベル2を取得した。

 これで保有EXP1508、スキルポイントに直すと30。8EXPが余りとなる。

 信仰魔法レベル3は取得必要スキルポイントが40となっている。それでも破格値だが現時点では購入できない。


 スキル取得は一旦ここまでか……


 取得は打ち止めになったが、これからの方針は決まった。

 自前でセーフティゾーンが賄えるなら、このままダンジョン籠り続行だ。


 とりあえず信仰魔法「その存在は安寧の源泉」を発動し、10時間分、500MP使って愛車の周り約5m四方を神域化した。

 

 神域がどんなものなのか確かめるべく一度車を降りる。

 車の外には何かが存在していた。

 色も形も何もない壁というのが一番近いかも知れない。

 それがダンジョン通路の前面と後面に車の周囲を区切るように存在し、車の周囲の空間を覆っている。広さはこちらがこちらが発動時に考えていた5m四方程度だ。 


 興味に駆られ、その壁に触れ押してみると、少しの抵抗感だけでスルリと壁の外へと腕が突き抜ける。

 腕を引っ込めれば、腕の大きさにポカリと開いた穴が即座に埋まった。

 外界との繋がりが遮断されるとは言っても、術者本人は自由に行き来出来るようだ。


 ふと通路の奥を見ると、敵が一匹発生し、こちらに向かってきた。

 どうやら、神域の中にいてもこちらの存在は認識できるらしい。


 神域の効果をみる、いいタイミングだ……

 そう思い、神域内で敵が近づいてくるのを待つ。


 ダンジョン入ってから、敵が近寄ってくるのが、こんなに楽しみなのは初めてだな。


 いつもの如く、敵は一直線でこちらに向かってきた。

 ただ、神域の壁は見えていないようで、減速せずにそのまま透明な壁に激突し、敵はそのまま後方に弾き返される。

 どうやら視覚は物理的な繋がりには含まれないようで神域の外から、こちらの姿は見えるらしい。

 

 敵は何が起きたか分かってないようで、再度こちらに突進してくるが、同じようにまた弾き返された。


 これは、もしかしたら……

 

 ふと思いついた戦法を試すべく、アイテムボックスから槍を取り出し、神域内から近寄ってくる敵目掛け突き刺した。

 思った通り、槍も神域内から外に出すことが出来た。

 そして一旦槍を抜くと、再度突き刺す。


 抜く、突き刺す、抜く、突き刺す……


 何度か繰り返すと倒せたようで、敵は光へとかえっていった。

 倒したのを確認しステータス画面を開くと、保有EXPを確認する。

 保有EXPは1516。


 信仰魔法レベル2を取得した後の保有EXPが1508だったので、今しがた倒した分のEXPが加算されている。


 イける、これならイける!


 神域は展開していても、敵の発生には影響がない。


 敵には神域の壁が見えないが、こちらの存在は見えるので、一直線に向かってくる。


 敵は神域内に一切侵入できない。


 こちらの肉体と武器は神域とダンジョン内を自由に行き来できる。

 

 敵を倒したことによって得られるEXPは神域外で倒した時と同様の値である。


 これが今の敵発生から討伐までの流れで分かった、神域の大まかな仕様である。


 あのお方が下さった新たな力「その存在は安寧の源泉」とは、よくいったものだ。

 今分かった仕様も素晴らしいが、ダンジョン内だというのに、神域内は清浄でいて安らぎに満ちているのは、もっと素晴らしい。

 きっとこれは、あのお方の心根が具現化されたものなのだ。

 ああ、まさに母の胎内の如し。

 ここでしばしの睡眠と休息を取ろう。そして偉大なあのお方への祈りと感謝を捧げよう。

 あのお方にいだかれながら、捧げる祈りと感謝は如何程までに充実をもたらすのだろうか……


 とりあえず休憩と睡眠を取り、その後も神域を展開しつつ神域内から敵を倒し続け、EXPを稼ぎながらドロップアイテムも集める。

 ある程度集め終わったら次の強化段階に進む。

 そう「その存在は安寧の源泉」を使って己の強化に励むのみだ。

 そうと決まれば、とりあえず腹ごしらえ。


 車のトランクから段ボール箱に入ったカ◯リーメイトを取り出し、ダンジョンの壁にもたれるように座ると中身を一口齧る。

 空腹だったのと少しだけ緊張から解き放たれたせいなのか、仕事をしていた頃、パソコン見ながら機械的に摂取していた時より美味しく感じた。

 やはり環境によって同じ食物を摂取していても、味覚の感じ方は変わるようだな。

 

 簡単に食事を終えた後は、睡眠を取るべく車に乗り込んだ。

 今回の神域の効果時間は10時間。神域の仕様確認やら、敵との戦闘やら、食事やらで1時間使い、残り時間は9時間だ。

 明るい場所では寝れない質なので窓にシェードを貼り、座席を倒し出来るだけ就寝時に体の下が平らになるように、就寝時に寝る時用の車中泊用のマットを引く。

 マットを敷き終え、体を横たえるとスマホのタイマーを7時間後に設定した。

 効果時間が切れたら、またかけ直すにしても、ギリギリまで寝てるのは、少し不安だしな。


 そんなことを思いつつ、ダンジョン入ってからの反省点や改善点、起床後の予定とかを考えようと思っていたが、体の疲れがそれを許してくれず、あっという間に意識は眠りの世界に落ちていった。

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