小説


部屋の隅で膝を抱えていたって。

何かしなけりゃ、何も起こらないから。

だから今日も。擦り切れかけた勇気を振り絞って液晶に向かう。


カタカタ、カタカタ。

字を書いて。

コチコチ、コチコチ。

字を戻す。


そうして生まれた一作を。

そうして産んだ我が子を。

私が愛するあの子らを。

評価されたその時が。

どうしてこんなにも嬉しいのだろう?


ああ見ていろ蔑み嘲笑った馬鹿者ども。

いつか世に認められる。

その時まで。ずっと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る