第7話 ルカとルカの妖精人形




「【徹甲弾・散弾ーペネトレイト・スプレッドー】!」

 

『単現級(シングル)』より一段強力な『複現級(マルチプル)魔法』が放たれた。

『単現級』は言い換えるなら、一度にひとつ、真直ぐ飛ばし、真直ぐ落とし、範囲は小さく、弱い。

『複現級(マルチプル)』は言い換えるなら、一度に複数、曲がりもするし、範囲は大きく、強い。

例を挙げるなら、『単現級』の【障壁】では、『複現級』の物理攻撃は防げない。

その『復元級』魔法を放ったのは、現エストラート騎士団ウィリル=ボルサーレ第三騎士隊隊長。

 

模擬戦の再戦は判定人により明確に拒まれ。

ルカの同意を得るどころか、意思すら確認せず。

開始の合図もないまま、一方的に宣言して。

騎士が親子のように歳の離れた学生を相手に。

上位魔法である『復現級』魔法を放った。

その上位魔法は、妖精人形に向けたものではあったものの。

その威力は、配られた魔石式耐衝魔法道具では防ぎきれず、命に係わる可能性のある魔法である。


ルカは模擬戦に勝ったものの、終わったという雰囲気では無かったし、帰っていいよと言われなかったために、黙って解放されるのを待っていた。


「――――あぁ!」


だから、【徹甲弾・散弾】がフィに放たれた時、何もできなかった。

それを油断というのは余りに酷だ。

ルカは、ただただ相手に理不尽を押し付けられただけなのだから。


範囲ごと穿つように広がった複数の超高硬度な鉄岩弾は、高速で飛ぶフィですら全ては避けられない。

【徹甲弾・散弾】の数発がフィの人形の身体を貫こうと到達し―――


【障壁ーリフューズー】×2


フィは両の前腕に装着したアームシールドの【障壁】をほぼ同時に重ねるように発動したが。

『複現級』の魔法を『単現級』で防げようはずもなく。

大人の親指ほどもある鉄岩弾が回転しながら、重なった二枚の【障壁】を貫通し。

フィの身体を捉えていたその二発の鉄岩弾に、右肩ごと右腕と、腰を砕かれ上半身と下半身が真っ二つに分断されるように吹き飛ばされた。

フィは身体を割られてなお、鉄岩弾の威力のままに、錐もみに飛ばされ別々に地面に数度バウンドしてやっと止まった。


「ふははは!実に容易き相手!ただ一度の魔法でここまで無様に砕けるとは!まさしく子供の玩具よ!

さて小僧、奇襲に備えねばならんという学びを与えてやったのだ、良く学べたであろう?妖精人形など役にはたた―――」


妖精人形が吹き飛んで転がっていく様に気を良くしてルカに勝ち誇っていたウィリルだったが。


「………敵だ、敵がいる」


その声に言葉を止めたウィリルを、妖精人形を破壊されたばかりのルカがじっと見ていた。



◆◆◆◆



ルカがかつて、三人の少年に敵意を向けられ、フィを棒切れで叩き落された時。

ゼットによって『大切なものは何をしてでも守り抜け!』と教えを受けた。

それでもルカは、敵意と相対し、戦う事を想像して怯えた。


「ルカ。お前の大切なものを傷付けるやつは、敵だ!絶対に、いいか絶対に、許すな!」

「できないよ………こわいよ………」

「よおし、分かった!怖くなくなる、俺のとっておきをお前にやろう!」

ゼットはそう言って、ルカの顔に眼帯を付けて、

「いいか!この眼帯はな、特別なまじないがかかってるんだ!この眼帯を付けたら、怖くなくなるんだぞ!ほら、そんな気がしてきただろ?敵に会ったら、この眼帯を付けろ!そうすれば、もう怖くない!」


そう言ってゼットはニカっと笑った。


その眼帯は、ゼットが露店で『髑髏が格好いいな!』と用途もないのに気まぐれで買ったもの。

ルカの怖気をどうにかしてやりたいと考えて思いついただけで、眼帯である必要は特になく。

もちろんまじないなど、かかってはいない。


しかし、6歳の子供のルカは、素直に大人であるゼットの言葉を信じて。

怖いことがあるとゼットの眼帯を付けて、なんだか恐怖が和らいだような気になる。

それを繰り返したせいか、恐怖が和らぐという思い込みと体験が、本当にルカから恐怖を少し取り除くのである。

同時に、ゼットの『お前の大切なものを傷付けるやつは、敵だ!絶対に許すな!』という教えが、脳内に繰り返し聞こえる付随効果までもって。



―――ルカは、実に暗示にかかりやすかったのである。



◆◆◆◆



眼帯を付けたルカの脳内に、その言葉が繰り返し響く、

『お前の大切なものを傷付けるやつは、敵だ!絶対に許すな!』

敵を許すな、と。


絶対的な使命がもたらされ―――

「………あなた、敵ですね!」

目の前で、再びフィが傷つけられて。

ルカの心中を満たしたのは、かつてと同じ自分の無力さに嘆く悲しみではなくて。

燃え上るように充満し膨れ上がる、大切な家族を守れなかった怒りはだから。

ルカの目から、眼帯をもってしても残っていた、残りの恐怖を完全に消し去っていた。


ルカのあまりに迷いも恐れもない自分を射るような視線と。

その紫の右目の奥が薄らと光っているように見えたから不気味に感じ、その内心を隠すように、

「何を言う!王国騎士団の騎士隊長を敵呼ばわりか、きさ―――」

威圧すべく張り上げたウィリルの大声はまたも止まった。

ルカが壊れた妖精人形の元へ、人形を投げたから。


「な、なんだ?なにを………」


投げ込まれた人形は、二つに割れた妖精人形の周りの地面へ落ちる軌道を描き。

地に落ちる前に、宙でいきなり静止した。


直後人形は回転しながら上昇し、両の脚横に装着した鞘から剣を抜き去って。

その切っ先をウィリルに向けてブンブンと振り回す。

ただの人形は、妖精を得て妖精人形になった。

宿るのは、もちろん壊れた妖精人形から離れて乗り換えたフィ。

何度も切っ先でウィリルを示すのは、一方的な攻撃への抗議と怒りの表明であり―――

フィの復活だった。


「―――!」


ウィリルは視線の先で新たな人形の身体を得て復活した妖精人形を見て言葉を失う。

(予備の妖精人形を用意していた、だと?)

それは妖精武装を使う者には理解しがたい行為である。

そもそも妖精武装が壊れる時、その使用者が無事であるはずがない。

予備の妖精武装を準備し携えるなど使用者からすれば、無駄の極みと言えるのだから。


しかし、ウィリルは考える。

予備の人形がどうした、と。


「何度でも壊してやろう! 【徹甲弾・散弾ーペネトレイト・スプレッドー】!」


ウィリルが放った複数の鉄岩弾は再びフィを捉え、

【多重硬障壁ーパイルリジェクトー】

フィが放った『複現級(マルチプル)』魔法の複層の障壁が、

『ガガギギン―――』

硬質な金属音を響かせて、今度はあっさりと防ぎ切った。


「ど、どういうことだ!なぜ位階10に満たぬ妖精が『複現級』など放てるのだ!」


ウィリルの驚愕の声が響いた。



ホールデンとの模擬戦の時。

ルカは模擬戦の『単現級』縛りを事前に聞かされていたから、それに合わせてフィの装備を『単現級』のみに制限していた。

しかし、何事にも不足の事態はある。

かつて、友達になりたかっただけなのに、フィを叩き落されてしまったように。

フィのためには、やり過ぎと限界は存在しない、してはならないと心に刻んでいるルカはだから。

予備の人形の方は魔法構成を変えていた。

―――そう、今のフィはルカの本気の妖精人形なのである。



「それに、やはり指示無しで動くではないか!常識外れもたいがいに―――」


困惑するウィリルはしかし頭上の陰りに気づき、

【岩墜ーロックー】

フィが音もなく放った、成人男性よりも大きな岩が頭上からウィリルへと落ちてくるから、

「―――っ!」

慌てて飛び退き、

【雷墜ーライトニングー】

その先でまたも音もなく頭上から紫電が落ちてきて、

「―――ひ!」

魔石式障壁盾の構えも起動も間に合わず、足がもつれんばかりに慌てて躱し、

【風払ーブリーズー】

また放たれたフィの横なぎの突風のような強風によろけ―――

尻もちを、ついた。


「ぐ!に、人形ごときが、この俺を!」


ウィリルは、尻もちをつかされて衆目の面前で無様を晒されたと怒りに震え、

「も、もう手加減はせん―――」

立ち上がりつつ怒鳴るウィリルの言葉は、視界の中ルカが自分へと走って来るのを見つけて止まり、

「手加減せんと言ったぞ!【電撃・十重ーヴォルト・コルー】!」

妖精剣の切っ先から同時に十の電撃がルカへと奔った―――



普通であれば、ここまで妖精人形使いに過度な注意を払う必要はない。

妖精人形はともかく、妖精人形使いはほぼ攻撃力を持たないからだ。

もちろんこれは妖精武装を持たない妖精武装使いにも言える事だが。

只の人が持てるのは、せいぜいが魔石式の武器防具で、使える魔法は最も弱い『単現級』。

攻撃力に乏しく、防御力にも難あり、そんな妖精人形使い自体は恐れるに足りない。


妖精人形使いの最大にして唯一の利点は、妖精人形と妖精人形使いが別々に行動できること。

ルカは、ホールデン戦でその利点を最大限活用して勝利した。

しかしホールデンにとっておそらく妖精人形使いとの模擬戦が初めてという、初見だったから機能したと言える。

 

ウィリルは騎士である。

当然、抜かりなく魔石式耐衝魔道具を起動させ安全対策を取っている。

ルカの持つ魔石式『単現級』魔法が万が一身をかすめようと痛みに耐え、動きを止めぬ自信もある。

そして開幕から『複現級』を放った通り、ウィリルの妖精剣の魔法はほとんどが『復現級』である。

その『複現級』魔法をもってすれば、まさに『単現級』のルカはまさに恐れるに足りない。

しかし、迷わず突っ込んでくるルカの、

「ふひひひひひぃぃぃぃぃ!」

弧を描いた口から漏れ聞こえる不気味な笑い声に、ウィリルの直感が、ルカを無視するのは得策ではないと告げていたから―――



ウィリルはルカに向けて【電撃・十重ーヴォルト・コルー】を放った。

【電撃】自体は『単現級』で威力は同じであっても、同時に複数の同じ魔法を放つのは『複現級』である。

その『復現級』の十本の紫電がルカに殺到する―――


狭い放射型に放たれた紫電のうち、ルカの身を捉えていたのは五本。

それをルカは走ったまま魔石式障壁盾の【障壁】を起動し、紫電の一本をそれで防ぎ。

身をよじって別の二本の紫電を躱し。

―――そもそも刹那で奔る紫電を躱す、というのも頭のおかしな話だが、ルカの身体を捉えていたはずの二本がルカに当たらなかった事は事実であった。


「ぐっ」


防ぎ躱せたのはここまでで、あとの二本が上腕と太ももを激痛と共に焼いたのにも関わらず、しかし思わず出た呻きも無かったかのようにルカは速度を落とさなかった。


「な、止まらんかあ!【電撃・十―――”」

ウィリルが止まらぬルカに再度魔法を放とうとして、

【雷墜ーライトニングー】

慌てて頭上に魔石式障壁盾を構えて【障壁】を起動、

「邪魔するな!近づかせてたまるか!【延焼ーフレイムー】!」

魔石式障壁盾は頭上に掲げたまま、妖精剣でルカとウィリルの間を立ち上がる『単現級』の炎の壁で分断し、

【風払ーブリーズー】

【延焼】に構わず突っ切ろうとするルカの前の灼熱の壁を、フィが強風で散らし、

「な、くそ!」

ルカが腰元から何かをウィリルの足元へ投げ込んだからウィリルは困惑したまま、

「ええい!【徹甲弾・散―――」

もうルカの命への配慮などしていられずに自身の最大威力かつ避けられない面攻撃の『複現級』魔法を放とうとして―――

―――【薙ぎ雷撃ーヴォルストリクー】

それよりも早く無音のままに、ルカの魔石式電撃短剣から放たれた『複現級』魔法の、太い複数の紫電が地を這うように蠢き、その一本がウィリルを捉えると、残りの全ての紫電がウィリルへを殺到し、

「あ!ががががっがががががががが!」

ウィリルの全身に激痛が走り、それでも魔石式耐衝魔道具のおかげか気を失うことは無かったが、

【挫き圧風ードラフトダウンー】

たたみ掛けるようにフィが放った『複現級』の吹き降ろす圧風に耐えることは出来ず、その膝を折った。


膝を折ったが最後、ウィリルは圧風で全身を地に押し付けられた。

頭まで地に押し付けられた姿はまるで、頭が高いと五体投地を強制されているようで。


その哀れにも見える姿にも、ルカに情けは一切ない。

よって倒れて身動きのできないウィリルだろうが、

【電撃ーヴォルトー】

「あが―――」

【電撃ーヴォルトー】

「ぐが―――」

【電撃ーヴォルトー】

「やめ―――」

【電撃ーヴォルトー】

「や―――」

【電撃ーヴォルトー】

「………」

ルカはウィリルが完全に無力化、つまり気絶するまで淡々と魔石式電撃短刀で攻撃し続け。

ウィリルが【電撃】に呻きを上げなくなった事でやっと攻撃をやめて、ふぅと息を吐いた。

 


ルカがウィリルの足元に投げ込んだのは、ルカが身に着けていた魔石式耐衝魔道具である。

ウィリルに対する怒りはあれど、ルカは怒りのままに殺そうなどとは思わない。

だから、『複現級』で高威力な【薙ぎ雷撃】を放つ前に、死なないようにと投げ込んだ。

魔法攻撃に高威力な【薙ぎ雷撃】を選んだ事自体は、怒りからの報復感情ではあったが………。

とにかく、ウィリルの腰にも同じ魔石式耐衝魔道具があるのも目視で知っていたから、二つあればなんとか死なないだろうと。

同じくこの保険があるからこそ、ルカは【電撃】を連発してウィリルを無力化した。

観衆には、ほんの少し無慈悲に映ったかもしれないが。



ウィリルを完全に無力化して息を吐いたルカの背に。

ぶるぶると怒りに震えたウィリウォリの妖精剣が向けられ、

「よ、よくも父上を、し、死んでしまえぇ!【氷弧爪ーフロストクロウー】!」

模擬戦の場外から放たれたそれはまさしく奇襲だった。


ウィリウォリの妖精剣のほんの少し先の地面から、五本の尖った氷の柱が生まれ。

五指のように、それぞれ弧を描いて、大きな手が握りこむようにルカの背へと到達する。

ルカからすれば、背面と側面にまで及ぶ攻撃で―――

【多面硬障壁ーブルムリジェクトー】

高速でルカの元へ飛びフィの放った『複現級』の多面の障壁がルカの背を守る傘のように開き、

「「「「「ガ」」」」」

同時に殺到した尖氷の攻撃を防いだ。


「くそ?あの人形、いったいいくつ魔術式を持ってるんだ!お、おかしいだろう!」


奇襲を防がれたウィリウォリは驚愕し、こんなのはおかしい、こんなのは異常だと訴えるが。


奇襲が防がれた音で、ルカは戦闘態勢を解きかけていた自分を恥じて。

改めてルカはウィリウォリへと、顔からぐるりと振り返り、

「………あなたも、敵ですね!」

そう言ういや否や、ルカは再び走り出した。


「―――あ、いや俺は、ちが」


自分を振り返ったルカの目が、なぜか紫に燃えているように見えたからウィリウォリはたじろぎ、言い訳を吐こうとしたものの、それでルカが止まろうはずもなく。


「く、くそ!【氷弧爪ーフロストクロウー】!」

ウィリウォリは慌ててルカに魔法を放ったが、ルカはその軌道から素早く方向を変え、

「なんで、そんなに動けるんだ!お前、な、軟弱者のはずだろう!」

ウィリウォリはあっさり魔法を躱されて半狂乱し、

「ま、魔石式対衝魔道具を起動しないと」

焦って手元が狂って上手く起動できず、一瞬だけ自分の腰へ視線を移し、

「―――っあ!」

視線を上げた時には、ルカの無手の右手がウィリウォリの首の前にあり―――


―――ルカはウィリウォリの首にかけた右手を起点に、ウィリウォリの左側面から半回転して右側面へグルンと回り飛び、最後にウィリウォリの首の後ろにあった右手で、ウィリウォリの首根っこをそのまま地面へと押し倒した。


「―――ぐべっ!」

ウィリウォリは、顔から地面へ引き倒されて激しく鼻と前歯を打った激痛に呻き、

【挫き圧風ードラフトダウンー】

駄目押しに、フィによって父と同じように地面に押し付けられた。


ウィリウォリを魔法で対処しなかったのは、出来なかったからである。

近くに騎士科生徒がいて、【薙ぎ雷撃】など放ったなら無関係な人を巻き込んでしまうから。


あとは言わずもがな。

ルカは鞘に戻していた魔石式電撃短刀を構え、ウィリウォリを無力化した。

淡々と、粛々と。

ウィリウォリのうめき声はたったニ度だけであった。



世間一般では、子供の玩具にうつつを抜かす妖精人形使いと評されるルカを。

小柄で、どちらかというと内向的にも見えるルカを。

運動能力など持たぬはず、と侮るのは自然であると言える。


―――しかし、ルカを鍛えようとした者がいたのである。

彼は、ルカがフィのためならなんでもやると知っていたから。


「万が一の時に、ルカ自身がフィを守れるようになる武器をやろう!それはな、筋肉と体力だ!」


そう言って、彼はルカに毎日の訓練を課し、実に素直にルカは従った。

そう、そんな事を言い出したのは、ゼットである。

こうして、ルカは見た目に反して動ける少年に成長した。

ちなみに、細身ではあるが脱ぐと筋肉質である。



ウィリウォリを無力化したルカだが、今度は油断をしなかったから、

「「「おおおおお?」」」

突然周囲から響いた声にルカは、ウィリウォリの元からばっと飛び退いて。

油断なく周囲を窺う。

ルカの頭上にはフィが飛び、互いに万全の警戒態勢であった。

 

が、しかし―――


「勝っちまった!勝ちやがった!」

「わけが、わけがわからん!」

「凄くないか?す、凄くないか?」

「妖精人形使いが、騎士隊長相手に勝ちやがった!」

「誰だよ、妖精人形を子供の玩具だって言い出したやつ!」


声が歓声であるとやっと理解したルカは、今度こそ眼帯を首元へ下げ戦闘態勢を解いたのだが―――

「あれ?い、痛い?あだだだだだだだだだだぁ………」

眼帯を解いた事で戦いの緊張が解けたから、【電撃・十重】に焼かれた腕と足の凄まじい激痛に初めて気づいたように、ルカは痛みに身体を丸めてうずくまった。

なんとも締まらない、勝者の姿であった。




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