世界で初めてVTuberを始めた者

クスノキ

第1話

僕は、朝霧 樹(あさぎりいつき)は、配信してみたいと思っていた。だが、顔出し配信は、個人情報特定やストーカーなど危険なリスクがあり怖くて出来なかった。諦めかけていた時――樹はふと

一つの考えが頭に浮かんだ。


「絵を動かせば、顔を出さずに配信出来るんじゃないか?」


そこから行動は、早かった。

何とか下手ながらもこうでもないあーでもないと

絵を描き、リアリティを持たすために口や目を動かせるようにした。

それから数ヶ月後――2017年8月4日


下手くそながら何とかアバターを完成させることが出来た。名前は、夜白(やしろ)イツキだ

白銀色のショートボブに中性的な見た目

瞳はアイスブルーそして黒いパーカー


え?下手でそう見えない?そんな事ないよね?

ま、まぁアバター急いで作ったからしょうがない僕が絵心がないとかそんな事ない。うん。


何故アバターをこんな見た目にしたかそれはリアルの僕の見た目も中性的だからだ。

黒髪で耳にかかるくらい緩いショートヘア

灰青色の瞳で睫毛も長く体つきも華奢で性別が分からないとよく言われる。身長も143cmと低く女子とよく勘違いされる。*僕は認めていない


そして――

ようやく初配信をする時がきた。

夜ご飯を、食べ終えお風呂に入り時刻は7時

準備も万全この時のために準備してきたので緊張もしていない。嘘です緊張しすぎて吐きそう

だってしょうがないじゃん!!ずっとやりたかったことが叶うんだから!


「ふぅー…やろう」


同接は0

配信開始を押して配信が始まった。


「あ、えっと、初めまして!夜白イツキです

今日初めての配信です。お願いします」


下手なキャラクターの口がぎこちなく動く。

だが配信観ている人が誰もいないので何も反応はない。そこから誰もいない時間が続き一人で喋っていると同接人数が1に変化した。


コメント欄:

:何この下手くそな絵


「え、あ、来てくれてありがとう!これはね、顔出しが怖いから絵を動かせば顔出ししなくても配信出来ると思って――」


同接:1→0

あ、いなくなっちゃった。

まぁ、しょうがない。初配信だし、誰しも最初はこんなもんだ。そのまま配信を続けたが結局最後まで同接が増えることが無かった。


そして次の日

今日2回目の配信をする予定だ。

昨日はダメだったが僕は、今日はある秘策を持ってきた。そう!今日発売の、ゲームモンスターコレクション略してモンコレの最新作だ!

モンスターを捕まえて戦わせたりするRPGだ。

ゲームなら興味がある人が配信に来てくれると考えた。まさに天才的な考えだ。

ちなみにだが、モンコレをやったことないのでこれが初見だ

配信を開始するとすぐ同接人数が5になる。


「初めての人こんばんは〜今日はモンコレの新作のキング&クイーンのクイーンやって行くよ!」


コメント欄:

:絵が喋ってる?

:人なのは分かるけど


え?そこまでこの絵酷い?結構頑張って描いたつもりなんだけど!


「えっとね、顔を出して配信するのが怖いから

絵を動かして配信してみようと思ってやってみたんだ〜」


コメント欄:

:へぇー新しい


雑談もこれくらいにしてゲームを開始する

モンコレは、最初3種類のモンスターを選び旅をする。


コメント欄:

:最初誰選ぶの?

:俺、フクロウのやつにした


「モンコレこれが初めてだから悩むね、このポケ〜としたモモクローもいいし

このちょっと生意気そうなニャピーもいいし

可愛いアシャマリもいいよね。」


モンコレの最初の3匹は、フクロウをモチーフにした草タイプのモモクロー、猫?をモチーフにした炎タイプのニャピー、アザラシをモチーフにしたアシャマリの3匹のどれかを選ばないと行けない。


コメント欄:

:ポケ〜は草

:確かにニャピーちょっと生意気な顔してる

:アシャマリ目可愛いよね


同接人数がいつの間にか8人になっている。

流石大人気ゲームのモンコレだろう。

昨日は、あんなに集まらなかったのにモンコレを配信した瞬間に8人になっている。

ゲームを始め、今博士からモンスターを貰う所だ。


「ニャピー君に決めた!」


コメント欄:

:ニャピーにしたか

:俺、全世代炎タイプでやってるわ。ストーリー楽だし大抵強いから


モンスターを選ぶと、ライバルに勝負を挑まれ対戦することになった。


「へぇ〜モモクロー選んだんだ。こっちが有利になるタイプ選んでくれるの優しいね」


コメント欄:

:そうなの!?今までずっとこっちが不利になるタイプだったのに!

:優しくなってるな

:今までのライバルがやばかったんだよ!こっちが先に選んだら「じゃあ相性有利のこいつ」って感じで選んできてたから


そこからライバルを特に苦戦すること無く倒すことが出来た。そしてそこから雑談しながらモンコレを進めていった。


「よし、4つ目の試練終わったし、今日はここまでにしようかな。皆、今日はありがとう!」


コメント欄:

:お疲れ様〜

:初見の反応良かった

:チャンネル登録しといた


同接が12人になっていた。


「じゃあみんなバイバイ〜」


コメント欄:

:おつ

:お疲れ様


配信を終了する。

登録者数を見ると3人になっていた。

決して多いわけじゃあないがそれでも登録者増えた事が何より嬉しい。興奮してしまいその夜、中々寝付けなかった。




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