09.須磨都――麗しき華
矢が風を切り、
(さながら僕のアプローチと、
学生時代から弓道が好きだった。雑念が消え失せ、精神が落ち着き、思考が冴え渡る。
趣味で探偵の真似事をすることもある
焦って勇気と無謀を履き違えたり、あるいは保守的になって意見をすぐに変えたりする者は、人の上に立てる器ではないからだ。
そこには、薔薇のように真っ赤な宝玉――
(まさか噂通りに特別な力を秘めているわけでもあるまいが……、
十年前、
投資先もことごとく
そして幸運はビジネスの領域のみならず、
(この完璧な僕に
まるでサンタクロースを待つ子供のように、ワクワクした気持ちでベッドに入るのだ。
(毎晩、眠ることが楽しみで、毎朝、起きることが楽しみな日常。これがまだ幸福の絶頂でないというのだから、いやはや僕の人生はなんて奥が深いのだろう!)
そのとき、スマートフォンに連絡が入った。
(おや。僕に直接、しかもいきなり電話をしてくるなんて珍しい)
「もしもし、お
「
妙だな、と
彼なりの交渉術なのか、それとも単に頭が悪いだけなのかは
「どうしたんです? お声に
「君は……、君は
(なんだ? まさか、あのことがバレたか……?)
思考を巡らせつつ、
「もちろんです。
それは全て、本心からの言葉だ。
(
「実は、
「婚約破棄ですって? 聞き捨てなりませんね。冗談じゃない」
語気を強める
「僕は
「ありがとう、
「実はな……、今朝、怪盗アンノウンからの予告状が届いた。奴め、七日後に
「なんですって!」
驚きの声を上げる
(なんという幸運だろう!
彼の頭には、アンノウンに対する恐怖など
「当然、対策は考えてある」
「そこで相談なのだが、
「外科医ですか? もちろん協力は惜しみませんが……、どういう対策です?」
それを聞いた
「ふっ、はははっ!
「何が
ようやく余裕が戻ってきたのか、
「当日は僕もそちらに行きます。僕の可愛いフィアンセに手を出そうとしたこと、徹底的に後悔させてやりますよ」
――――To be continued in PHASE II.
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