推し活

 来た!ついに来たよ!

 インターホンが鳴り、いつになく足音が響く日曜日。私はこの日を待ちわびていた。

「お届け物です」

 サインを、とボールペンを渡されて苗字を書く、受取書だけ書き終えてダンボールを受け取る。

「ありがとうございました」

 配達トラックはどこかへ行った。


 手に入れた推しのグッズを眺める。達成感と満足感で胸がいっぱいになる。

 滅多に出さない推しのグッズを購入するのは至難の業だった。


 私の家では、余計なものは買っては行けなかった。コスメや服も親に言って、必要に応じて買ってくれる。当然、推しのグッズ、なんて論外だった。


 でも日曜日は基本的に両親は二人で出かける。私は遊びに行くと言って家に残り、この荷物を手に入れた。


 だからこそ、これはこっそりと持っていないと行かない。ダンボールもすぐさま捨てた。


 証拠隠滅の為に、近くの図書館まで勉強することにした。電車に乗って10分ちょっとの県立図書館。


 その電車に同じ推しのグッズを、つけている女子高生がいた。私と同い年くらいの女の子。私は彼女のことを知らない。

 でも、たった今、彼女が私と同じものが好きなのだと理解した。それがなんだか嬉しかった。


『私と仲間だね』

 私は心の中でそっと呟いた。


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