《現地取材記録/林日菜子(享年24)》
本日の報告【2025/11/09 15:37】
取材日:2025年11月09日
場所:呉市 ○○町 林家
祖父の資料をもとに、林日菜子さんの実家を訪問。
連絡が取れた遺族は、最後の事件の被害者である日菜子さんのみ。
築年数の古い一軒家であるが、玄関先には小さな花壇、陶器のフクロウ、植木鉢が整然と並び、生活の温もりが残っていた。
インターホンを押すと、年配の男性が応答。
「よう遥々いらっしゃった」と、落ち着いた口調で迎えられた。
林さん夫妻はともに高齢。だが娘への愛情は30年経った現在も色褪せていない様子であった。
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日菜子さんについて
母・真由美さんは、娘の性格や生活態度を以下のように語る。
派手ではなく、真面目で家庭的
帰宅後は料理の支度を手伝う
お金を貯めて家のリフォームを提案するなど、計画的で思いやりがあった
父・俊夫さんも同意しつつ、最後の事件の日の異変について触れる。
「あの日だけは、いつもと違った」と、表情を険しくする
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「最後の日」の異変
夫妻によれば、日菜子さんは普段着ない赤いワンピースを自ら選び、鏡の前で楽しそうにしていた。
濃い化粧も普段はせず、本人にとって異例の浮かれようであったという。
母:「どこ行くの?」と尋ねると、「ひみつ!」と笑って答えた
父:大人になった娘の行動を見守るほかはなく、その判断を今も悔いている
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死因と不可解な点
日菜子さんの死は、遺族にとって理解し難いものだった。
母:警察の報告では首を切られたとされるが、顔は笑っていたと聞く
父:目は生前に抜かれた可能性があるとされ、警察も説明に苦慮していた
遺族は、娘の死の残酷さに言葉を失ったまま、30年を経ても心に深い影を落としている。
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別れ際の言葉
帰宅時、夫妻は玄関先まで見送り。
母:日菜子が笑っていたことが心に引っかかる
父:あの子は【ナニカ】に化かされていたのではないか、そう思うしかない
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所感
赤いワンピース、普段とは異なる化粧、秘密の外出、笑ったままの死――
何が彼女を喜ばせたのかは、本人のみが知る。
父の「化かされていた」という言葉は、事件の不可解さを象徴している。
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