第4話 収束
「さーて、この男をどうしてやろうか」
「すぐ殺すの、勿体ない」
皐月と美月は磔にした男の前でどうしようか考えていた。遠くからは黒煙が上がっているが、別に関係無いだろう。いや、全く関係ない。そうに違いない。衛星が落ちてきたなんて知らない。
それよりも、男が目を覚ます前に何か懲らしめて…
「…やっぱいいや」
そう聞こえた時には、男は腕が後ろの磔にされた木ごと細切れになっていた。横を見れば、美月が刀を抜いていた。同時に、男が血を垂らしながら目を覚ます。
「…ぐぁっ………テメェ、なに、しやがる」
「あ、うんち野郎が起きた」
「誰が排泄物だ!テメェのが排泄物みてぇだろうがこのクソオナ○野郎が!」
美月は刀を抜いて男の口に刃先で貫かないようにぶっ刺す。目が怖い。殺意に溢れている。
「ごぁっ」
「…お前、皐月にあんな事しておいてまだ許されると思ってる訳?許されない。貴方は罪を認めて貴方ができなかった事を見ていればいい」
「……ねぇ美月。まさかとは思うけど」
「うん。こいつの前で皐月を犯す」
「ねぇやっぱり!?やだぞ私は!まず外じゃん!な?そういうのはやっぱり雰囲気が」
「駄目。あんなゴミの体液が入ってると思うとゾッとする。私ので上書きする」
「それされたのはあっちの体だろうが!」
そう言って皐月が指さしたのは、取り敢えず外に持ってきておいたあの男にズタボロにされた体だった。もう体とも言えない感じもする。
美月はそんな事もお構い無しに男から刀を抜いて刃先を綺麗にしてから逃げる皐月を押し倒す。そして、何故持っているのかと疑問に思う薬を一気に飲み干した。それと同時に、美月の股間がもっこりとする。
「…皐月、無理やりされるのとか、縛られてやられるのとか、好きだよね」
「は、はぁ!?今そんなのは関係無いだろ!…じゃなくて!そんな訳ないだろ!」
「……いっぱいしてあげる。…朝まで、覚悟してね♡」
「朝って今も昼だろうが!ていうかその前に男を殺せよ!」
「まだ殺さない。ほら、脱いで?」
皐月が横目で男を見れば、いつの間にかナイフが太腿と腹に刺さっている。あと、臀部からもナイフが見える。
それでも目だけはこちらを向いているので少し恐ろしい。にしても、何か見た事ある状態だと思ったら…
…この子、私にやった事全部ナイフでぶっ刺して返しやがった。しかも皐月の腕が刺さってた場所にはもっと痛そうなナイフが深々と刺さっている。嬉しいのだが、あれの前で犯されるのも気が引ける。
「…ね、ねぇ美月?せめて中でや」
「隙あり」
「もごっ!?」
男の死体を見ながら口を開いた瞬間、美月のソレが口の中に飛び込んで来た。さっきまでとは違い、優しくて美味でさえあるかの様な錯覚まで起きる。
「んっ……んぅ………」
皐月は飴の様にソレを舐めていると、美月は皐月の頭を掴んだ。
「……まだ出さない」
「ぅあっ…な、何でだよ」
大きくなり始めた所で、口からソレは抜かれてしまう。そして、美月は男に近付く。
美月は無言で男に刺さるナイフを1本ずつ捻って行き、最大限苦痛を与えた上で口元にナイフを突き刺し、そのまま上にスライドさせて男を殺した。
そうして血の雨が降り注ぐ中で美月は皐月をお姫様抱っこして、額にキスをして家の中に入って行く。
「続きは、ね?」
「…仕方が無い奴だよほんと……お前ってやつは」
そうして、その艶かしい声は朝から次の日の朝まで続いた。
「………はっ」
「おはよう。もうお昼になりそうだけど」
「…誰のせいだろうなぁ?」
「私は知らない。朝まで皐月のこと犯してただけ。気持ちよさそうだったしもーまんたい」
「問題大有りだ馬鹿。…ったく。身体中が痛てぇし、ご丁寧に跡まで付けやがって」
皐月の体には、それはもうびっしりと何かをした痕が残っていた。それはキスマークの様な物であったり、縄で締められたかの様な痕であったり。
おまけに、昨晩は風呂にも入っていないので身体中が少しベタついていて何となく変な臭いがする。
「お風呂、入る?」
「入る。が、お前とは入らない」
「えっ………私、皐月の事助けてあげた。対価は支払われてない」
「そりゃ感謝してるよ。でもそれとこれとは話が別だろ。はぁーあ、流石につかれ…んむっ!?」
皐月は風呂に入ろうと洗面所へと向かったのだが、美月に腕を引かれてそのまま強引に口で口を塞がれた。
「ん…んぢゅっ…んぇ……らめらよ。さつきは、わらひと、はいふの……ん……」
「ば、馬鹿お前!何で舌入れて…んんん!!ヨダレを、うえかりゃ、いへて、くりゅな!」
顔を掴まれてキスで舌まで入れられたかと思ったら、急に離して上から唾液を口移しで注いできやがった。
「はひふ?」
「…入る!入るからそれ辞め…うわきったねぇ!」
顔を逸らしたら思いっきり顔面にかかった。今は当然の様に裸なので全身のベタつきがまた少し増す。
その反応に満足した美月は何事も無かったかの様に皐月の手を引っ張ってお風呂の中に入って行った。仕返しに足にローキックを入れたら、後ろの穴に指を突っ込まれた。
美月には先にお湯に浸かって貰った。勿論、体を洗わせてから。気持ちよさそうにしている美月に、皐月はシャワーの水を自身に打ち付けながら質問を投げかける。
「…なぁ美月」
「何?」
「私さ、どうしたらいいかな」
シャワーから出るお湯に当たりながら、皐月は美月を見る。
急に使える様になった謎の力、突然現れた薬物の副作用とは少し違う怪物、そして、急に襲われた昨日の出来事。今回ばかりは、どうも一筋縄では行かない気がする。
「私さ、これから、どうなるのかな」
シャワーを止め、まだ良く洗われていない体で湯船に浸かっている美月の上に跨り、美月の肩に顔を埋める。少しだけ、手が震えてしまう。
こんな口調で、こんな雑な性格でも、怖い物は怖い。今でも、あの男に体をぐちゃぐちゃにされそうな恐怖を感じてしまう。
正直、自分の手を自分の陰部に自分の腕をぶち込まれた時はもう叫ぶしか無かった。どこまでも、怖かった。
そんな事を考えていれば、美月はいつの間にか優しく抱き締めてくれた。
「大丈夫。だって、私が居るから。もう絶対に、離れない。どこまでも、いつまでも」
「……心強いな」
「当たり前。ずっと一緒にいる」
少し安心した皐月は緊張から解き放たれ、美月に寄りかかって身を任せる。まあその隙を見逃さなかった美月はお風呂の中でも胸を揉み始めた。
「…ま、待て待て待て。ここ風呂だぞ?しかも今はお前に生えてないんだぞ?」
「女の子同士の気持ち良さも知ってる癖に」
「……あ、あれは性に合わないと言いますか…」
「問答無用」
そう言って美月は皐月を抑えながら手をシャワーに伸ばす。用途は…言わなくても分かるだろう。
「待て!シャワーを掴むな!そうだ外に…だぁぁぁ何で鍵閉まってんだよぉぉぉぉ!」
「………逃がさない♡」
皐月はドアをガチャガチャするのだが、美月の指紋認証以外では開かなかった。そうして2人は風呂に2時間も入る事になった。
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