Episode9 ションソン・デ・ラ・レナイサンスとトロア

リヨン「お待たせいたしました。では、いきましょう」


リヨンが合流するとすぐさまトロアの家に向かった。トロアの家はリヨン邸からそこまで離れていない。歩いて15分程度だ。コムロたちはリヨンと雑談を交えながら話した。


リヨン「ここがトロア君のお家です」


コムロ「ご案内ありがとうございます」


リヨン「では、トロア君をお呼び致します。しばらくお待ちください」


リヨンは呼び鈴を鳴らした。呼び鈴を鳴らすとすぐにトロアが出てきた。


トロア「リヨン!えっと、そちらのお方は?」


リヨン「こちらはティブロ王国から来た旅人さんです。その横のお方は…」


ジョン「ジョン・リミットです!」


リヨン「それで感染症の方はどうなったのですか?」


トロア「それがちゃんと治ったんだ!今では元気に生活してるよ!」


リヨン「それは良かったです」


コムロ「では、リヨンさんは本当にションソン・デ・ラ・レナイサンスを歌ったということですね」


トロア「君、ションソン・デ・ラ・レナイサンスを知っているのか?」


コムロ「えぇ、リヨンさんからお聞きしました」


リヨン「教えてはいけなかったものなのですか?」


トロア「いや、そういう訳ではない」


ドロアの表情が少し変わった。ションソン・デ・ラ・レナイサンスを知ってなにかいけないことがあるのだろうか。コムロは不思議に思った。


コムロ「なにか気に障るな…」


ジョン「コムロさん?どうかしたんですか?」


コムロ「俺がションソン・デ・ラ・レナイサンスについて話すとトロアは少し表情が変わった」


ジョン「そうなんですか?あまり表情が変わった気かしなかったのですが…」


コムロ「まぁ俺の勘違いかもしれない。今の話はとりあえず置いておこう」


2人が話終えると、リヨンが戻ってきた。


リヨン「お待たせいたしました。帰りに私の家に寄って帰ってください。お話したいことがあります」


コムロ「わかりました」


コムロたちはリヨンに連れられ、初めて会った部屋に戻ってきた。


コムロ「お話したいこととはなんでしょうか?」


リヨン「私、決心したのです」


コムロ「何を…ですか?」


リヨン「街で困っている人を私のションソン・デ・ラ・レナイサンスで救おうと」


コムロ「ですが、まだリヨンさんがションソン・デ・ラ・レナイサンスを歌ったという根拠は出ていません。もしかしたら偶然の可能性もありますし」


リヨン「いいえ、私はたしかにトロア君の身内さんを助けました。なので確実に私の歌はションソン・デ・ラ・レナイサンスなんです!」


コムロ「あ、ちょっと待ってください!」


ジョン「行っちゃいましたね…」


コムロ「今すぐ追いかけるぞ」


まだリヨンがションソン・デ・ラ・レナイサンスを歌うと確定した訳では無い。偶然かもしれない。だが、少し期待してもいいのかなと心のどこかで思っていた。頭が整理できないまま、コムロたちはリヨンを追いかけた。








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