この世界は超能力者が多すぎる

tootot

第1話

僕は何一つ普通の高校生。普通の主人公。名前は青木颯太。ただ一つおかしい所がある。


自分は本来の意味での超能力者であるという事だ。



僕は手のひらを触る。この手に無数の力が隠されている。この力は世界を変えてしまう力だ。


「フッ」


僕はきだるそうに笑った。自分の力が恐ろしい。世界を変えてしまうなんて、自分の力を自惚れないように心掛けている。


例えば今僕は電車に乗っている。そして満員電車の中。しかし、僕はオッサンの体や香水臭いババアの群れには決して触れない。


「………………マジックパワー」


僕は小声でそういうと僕の周り半径0.2mは絶対遮断ゾーン(安全地帯)を作る事が出来るのだ。


まるで幾何学のような綺麗な円が僕の周りに出現する………………。


僕の周りにだけ絶対的なatフィールド、絶対防衛結界が周りに作られる。


(自分の力が末恐ろしい)


しかし、僕は絶対結界うんたらかんたらを下げた。自分の力を異常かつ、世間一般では知られてない事に知っているからだ。


(力を持つ者は隠れていなければならない)


僕はどこかでラノベで読んだ言葉を暗唱する。恐ろしい自分の力。中二病で笑うかもしれない、だが事実。現実なのだ。


「ふっふっふ」


自分に秘めてる力に退屈する。僕と同じ超能力者が世界にごまんと居ればなあ。少しは退屈凌ぎになりそうだ。



ぽきぽきと指を鳴らす。若干、運動不足なせいで今、脱臼しかけたが、まあ問題無し。



「あっ、」


僕は駅の時刻表が合っていなかった。とっさにサイコキネシスを使って時刻表を合わせる。


「誰かの助けが合って世界は生きているんだよな」


僕は自分の手をじっと見つめた。こういうことはたまにではない。毎日の日課である。





学校でキンコーかんこーと音が鳴った。僕は超能力者にも拘らず、普段はちゃんと学校に行く。透視能力で簡単にテストが見れて学校に行く必要はないが、自分は力を持つ者として責任がある。



僕は”僕が刺したのは運命の人”という(ちなみに恥ずかしいのでカバーは付けてる)高名なドストエフスキーや三島由紀夫に匹敵する高名な本を読んでいた、顔を本で隠しているが教室の外れ右翼付近から謎の女子の声を検知。恐らく自機の事をターニ

ング。喋っている。

(聴覚アップします………………)



「え、あの子いつも一人で本読んで…」


ええいカットッカット!!。糞これが超能力を持つ者の責任か!!。くっそお前らの為に超能力は封印してるから関わってないんだよ。断じて友人を作ろうとしてるわけではない!


「ヒソヒソ」


前方から声のする方向に短髪型破壊野郎が自機に接近中。ぜひ応答を願う。ピピピピ。


「ちょ、あいつエグイてえ」


前方の後方からもクローン予備、待機中。ウィーンウィーン。


「お前起きてんだろ」


短髪型破壊野郎がコミュニケーションを開始。応答願います。


(これはブラフだ俺を誘う)


「おい、喋れよ」


小声で敵兵器、コミュニケーション能力を開始、貶める事はしないようです。


「いや、これはブラフだ。俺を甘い手段に乗せられる」


「お前喋ってんじゃん」


くっそ、つい油断してしまった。これもまたブラフだと言うのか,,,,。


「ちょ、あいつエグイエグイ」


突如、僕の髪の毛を男が触り始めた。それに乗じて前方からも同じ数体の機体が接近中、しかし見えてないと思ったのか!透視能力で全て見えてるんだよ!!


見えてたからなんだというのだ………………?。


「起きろ朝ですよ」


男はまるで回転状態に手を揺らして僕の髪の毛を触る。さしずめドリルライナーか。僕は何を言ってるんだろうか。


くっそここは使う。サイコキネシス!。


「うわ!いった!」


突如僕の髪の毛がグインと針のようにとんがった。辺りを静電気を使い髪の毛を伸ばした!(サイコキネシスを使うところを間違えた訳ではない)。


「いって急に伸びた」


「うん?アイツの髪の毛凄いことになってない?」


「ちょ、いってえ」


敵機体は僕の机の脚を痛みでイラっとしたのでけりを入れる。唐突だったのでトランスファー(変換)を使ったので大丈夫だ。


「うん?今一瞬机が移動したような?」


(戻ってるんだよ間抜け)


もう一回、男がケリを入れた。しかし予めサイコキネシスを用意しておいたのだ。


「いって!」


男はガランガランと足を上げて痛みに悶絶する。ふふ、ようやくちゃんと決まったようだ。


「だっさ」


「解散、解散」


男の醜態を見た女や男たちは即座に解散し始めた。しかし私が見えていないと思っているのか?僕はこの瞬間、間違い無く神になった気分だった。


これは中二病ではない。本物の力だと。




僕はずっと動かないでその場をキープした。今日も学校型防衛戦は大丈夫だったようだな。





「しっかしまあお前の醜態なんだったん?」


「知らねーよ弄ってやろうとしたら小声でブツブツ言ってなんか髪の毛とんがるし、なんかあいつなんだ」


ふふ、相変わらず便所の噂話が得意だな。さてどうやら蹴りでも入れてやろうか。


「だっさ、きっしょ」


「ダサくねーよ」


いやダセーよと僕は笑う。


「でもあいつの机動きおかしかったな。」


「確かに急にビュンて動いたり。なんかavを見てる途中になんか別のキャストに変わったみたいだな」


大きな汚い笑い声がこだまする。私の崇高な能力をこんな猿共に。


「でも、面白かったなあ。次お前あいつにちょっかい出して見てよ」


グループの端に坊主頭の気弱そうな子がいる。わかりやすく人差し指と人差し指を合わせている。


おてての皺と皺を摩っても幸せにはならんぞ。どうやら無理矢理入られたとかだろう。可哀想に


しかし、今度は私が攻める版だ。見えているぞ。



「うん?」


チャックから小便が漏れ出した。じょろじょろと出ていく、しかも一斉にだ。ピュロピュロといきなり出ていく様は圧巻で。これは歌劇にも流用できそうだ。ピュロピュロとはっはっはっ。



「うわあ」


トイレの玄関口で一斉に社会の窓を開けた。まさしくこれは圧巻としか言えない。男複数が喚いてるのを見ると心底面白い。

男たちを他の生徒がバカにしたり驚いたり。圧巻の様だなと、



しかし、ここで終わりではない。今度は学食に行くのか。濡れたズボンをトイレで脱いだが無理矢理、トイレの入り口にある乾かすアレを使う。


きったねえ、二度と使わねえと僕は思うと。



学食にぞろぞろと後ろに並びながら彼らは虫のように行進する。

さしずめ、汚いキリギリスの大合唱て事かな。


途中バケツを持った先生が見えた。何をしているんだろう?


「ちょ、おいて行かないでよ」


坊主頭の気弱な子が最後尾でトロトロと走る。こういう奴を見ると可哀想というか無性に腹が立つ。


なら僕みたいに関わらないようにしろと。こういうのは意味が無い青春を送るだけだ。


坊主頭のズボンは乾かして無いのでそこだけ濡れていた。ヒソヒソと生徒は彼を見て笑う。こういう存在がいた方がグループは長く続く。下と上の猿の関係性で人間の関係性とはほど遠い。


「きったねえ。牧野、」


「あそこで」


「うるせえ喋るな!」


怒鳴り散らす少年隊のメンバー。列を有無を言わさない横入りで入る。どうやらカレーを選んだようだな。


くく、一番面白いのを選んだな。


カレーが彼らに届くとすぐさま周りを見ない動きでテーブルに着く。


「いただきまあす」


いまだ!サイコキネシス!


べちゃあと彼の制服にカレーをぶちまけた。一斉にやったためにコントロールができなくて中には皿ごと顔にプレスした奴もいるようだが。許容範囲。



「なんだよこれえ」


カレーが体にべちゃべちぇ。小便とウンコぽいカレーで彼らは全身下ネタだ。


学食している生徒は彼らを見るなりにクスクスし始めた。


「なんだよごらあ!」


怒鳴り散らかす男を一瞬見えた所で視界が途切れる。もう十分か。


結構超能力を有効活用したんじゃないか?


「うわ」


ガバと顔を上げると、僕の頭は水まみれだった。前方にはメガネを掛けた先生がいた。


「ようやく起きたか、ほんとに怖かったぞ」


先生がそう言うとバケツを落とし雑巾で僕の顔を拭いた。べちゃべちぇになった本は自分の手汗と水でぐちゃぐちゃになっている。


結局、あの男たち以上の水まみれになってしまった。


クラスの連中が僕を見ている。しかし、僕は違う。


僕は一瞬で乾かすように炎を燃やす能力(名前を忘れた)で乾かそうとした。


「アチッチ!」


コントロールを間違え僕の髪の毛に引火した。一瞬クラスは超大騒ぎになったが何事もなく収束していった。


しかし、今度から僕は話かけられる事すらなくなった。喋ると不吉な事が起きる不動の男という都市伝説に加えられ。


そして僕の周りには超能力を使っていないのにも関わらず半径5メートル以上のatフィールド絶対領域が展開した。


これで良かったのかは正直わからない

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