第9話

その後も転校生とはたまにご飯に行く関係が続いた。


私もなにかしなければと思いひとまずアパレル店で接客を行っている。


コンビニバイトで培った接客スキルがこんなところで役立つとは、芸は身を助けると言うやつだろうか。


ある日、どこかで見たことがあるやつが店内をうろついてるのを発見した。


「あんた……服、買うのね……。」


当たり前の事を言ってしまった。コンビニでバイトしてた時もそうだが、こいつとプライベート外で会うのは少しむずむずした気分になる。


「転校生、なにか探し物?」


季節は冬から春になろうとしていた。どうも春物の衣服を探しにきたらしい。


「春物のね、なかなか難しいわよね。夜はまだ肌寒いし、昼間は暖かいし。」


そう言いながら一緒に服を見ていく。

あーでもないこーでもないと言いながらも何着か見繕ってレジへと進んだ。


「今日選んだ服があんたにも似合うと思うわ!!長年見てる私が言うんだから、信用しないさいよ。また来たら服見繕ってあげるから、悩んだらここに来るのよ!!じゃ、お会け……し、死んでるッ!!」

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