第3話 某高校の虐め事件①

政治に関心の無かった俺がついつい関わってしまって心が疲弊したので次は俺を死に追いやった奴らを監視していた。次の犠牲者が出ないように。

悪いのはあいつらだけじゃない。俺が虐められているのを知っていながら見て見ぬふりをしていた教師共。更に虐められている俺が悪いと言いやがったあの糞教頭!証拠を集めて徹底的に懲らしめてやる。


俺が生前通っていた丸山高校の放課後、2年生用の女子トイレの片隅で1人の女子生徒が5人のヤンキーっぽい女子生徒に取り囲まれている。入ろうとする他の女子生徒はトイレの前に立っている見張りのメンバーを見て別の階に逃げ去った。下手に関わったら自分も虐められるのは目に見えている。今日は1年生の女子トイレは満員だ。流石に3年生のトイレに行く2年生は居ない。


その2年生の女子トイレに入ろうとする女生徒がいた。品の良い超絶美人だ。

当然見張りの者に止められる。

「おい待ちな。ここは今使えないんだよ。お前見たことない顔だな」

「はい、すみません。今日転校してきたばかりで、あのうどなたかに許可を頂かないと使えないんでしょうか?あら、中から、複数の声が聞こえますわね。その人たちにこれを渡せば使えるんでしょうか?」

その子は1万円札を見せて言った。

「お前それ何枚持ってる?」

「10枚ですけれどお話を通していただければあなたには余分に1枚差し上げますわ」

とその札を握らせた。

「おっ、話が分かる奴だな。ちょっと待ってろ」

そう言って見張りは中に入っていった。

数分経ってメンバーがぞろぞろ出て来た。

「このトイレを使いたいってのはお前か?」そう言ったのはこのグループのリーダーの黒木葵だ。

「はい、今日転校してきたばかりの伊集院香織と申します。あっ皆さん、お近づきの印にこれをどうぞ香織は10万円差し出した。

「おっ気が利くじゃないかいいぜ入って用を足しな」

「ありがとう御座います。明日も用意して参りますので、仲良くしてくださいませ」

「おお、」

「済みませんこの方にこのトイレの使い方を教えて頂いても宜しいでしょうか?」

虐められていた女の子を指名する。

「いいけど、高くつくぜ」

「いかほどでしょうか?」

「30万円だ」

「その位でしたら通学カバンに入って居りますので用を足してからご一緒にわたくしのクラスに行きましょう。駄目でしょうか?

「おお、さっさとしろよ」

どんだけ金持ちの娘なんだと呆れながらもいい金ずるが出来たとニヤつく黒木葵。

「ありがとうございます。さあ貴女、佐々木美紀さんですかご一緒して下さいませ」

伊集院香織と名乗った女生徒は、虐められていた佐々木美紀を伴って個室に入った。


5分経っても出て来ない。扉を開けようとしても鍵がかかっていて開かない。

「おい、踏み台を持ってこい上から中を見てみるんだ!」

「はい!」


「誰も居ないわよ」

「そんな馬鹿な!でもまあ思わぬ大金が入ったから良しとする

か。おい誰かあの女のクラスを知らないか?」

「「「「「しらなあーい!」」」」」

「まさか狐の仕業?」

しかし手元に残った1万円札はどう見ても本物だ。


「まあいいや明日来たら30万円頂こうぜ。今日はこれからカラオケ行くぞ」

「「「「「おお」」」」」


カラオケで飲んで食って歌いまくったそいつらはレジで止められた。

「済みませんお客様方、もう少しお部屋でお楽しみいただけませんでしょうか?その分の料金は頂きませんので」

「「「「「「ラッキーついてるぜ」」」」」」


それから30分後部屋のドアが開いて複数の警察官が踏み込んできた。

「偽札を使用した現行犯で逮捕する!」

「ええー!そんなの知らないわよ!」

「ではこの札は何所でどうやって手に入れた?警察署でじっくり聞かせてもらおう」

女生徒どもは泣き叫んだが相手にされなかった。


その夜日本のテレビ局は全局、某高校の女生徒による虐めの証拠映像と伊集院香織という謎の女生徒から金を受け取っている様子を流していた。


虐められていた佐々木美紀の顔にはモザイクが掛けられていたが、虐めていたメンバー全員の実名が表示され、顔もはっきりと映し出されていた。テレビ局ではちゃんと映像も音声も加工したはずなのにオンエアしたら素顔が流れてしまったのだと言った。


後に偽札の1万円札を渡していた伊集院香織が名乗り出た。しかしてその実態は【大魔王ヘクソンガー】こと、俺である。

確かに奴らに渡した時のお札は本物だったがその後偽札と交換しておいた。しかも【これはニセ札である。直ちに警察に通報願う】と女共には見えない文字で書いておいた。足止めしておくようにとの注意も忘れずに。



「もしも裁判であいつらが無罪になった場合は我が死刑を執行するであろう。悪に味方する裁判官も弁護士も同罪だと脅しをかけた。

マスゴミは知識人とかを使って未成年の彼女らの実名と顔をさらしたのはフェアじゃないとか喚いていたが俺はそいつらを問答無用で公開虐殺してやった。声が出せずスマホもキーボードも打てないようにしてやった。

その際「貴様らが自分達が正しいと思うなら、勇者でも英雄でも使って我を倒しに来い!」と宣戦布告してやった。

返り討ちにしてやる!と。



続く

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