第2話 某国の国会中継

その日は酒を飲みながらテレビで某国の国会中継を見ていた。

俺は特にその国に恩も愛着もあるわけではないがとある野党の質疑がさっきから何度も同じ質問を繰り返していてまるで失言を狙っているみたいでイライラしている。こいつは売国奴なのではと、思えてしまうのだ。他国を侵略しようとしている隣国のスパイ確定だろう。


なので、俺はその国の国会に乗り込んだ。

「「「わっなんだなんだついにわが国にも大魔王が現れたぞ!」」」

「血の雨が降るぞー!」

国会は大騒ぎだ。

『我は【大魔王ヘクソンガー】である。我は自国を貶めて、他国に売り渡そうとする売国奴が気に食わない。よって、先ほどまで質問に立っていたそこの男!貴様に天罰を与える。これから我が質問することに答えよ正直に答えれば良し。もしも嘘をついたらその汚い舌をハサミでちょんぎってやろう』


テレビカメラがその男にしっかり向いていることを確認して第1問を与えた。

『貴様は隣国のスパイか?』

なかなか答えようとしないので手にハサミを持った雀を創って奴の顔の前でホバリングさせた。舌切り雀だ。

『答えなくても嘘をついているとみなして、舌をを切るぞ』


男は諦めて口を開いた。

「そうだ。私は隣国のハニートラップに引っ掛かって隣国に有利になる様に質問していた」

その答えを聞いて議会は騒然となった。

「やっぱりあいつはスパイだったのか!」

「スパイ防止法に完全に引っ掛かってるな国会警察を呼べ!逮捕して余罪を追求するんだ」

国会がテンヤワンヤ大騒ぎしている間にコソコソ逃げようとしている者がいる。

逃がすわけがない。いつも偉そうな顔して大統領を追求しているあの悪女も混じっている。

バリアシールドを張って逃がさぬようにした。

『今逃げようとしていた者も売国奴とみなす。死にたくなければ質問に答えよ』

強制的に並ばせて聞いていく。

『お前は隣国のスパイか?』

「いいえ違います、ギャー‼」

嘘つき発見。舌切り雀に舌を切られた。

次々と舌を切られる者が続出する。出血過多で死んだり、切られた舌が丸まって窒息しないように治癒魔法を掛けておく。まあ国民が目撃しているのだ、社会的に、また国会議員としては死んだも同然だろうがな。

驚くべきことに大統領自身も売国奴だった、内閣の大臣を務めている者も複数居た。どうなっているんだこの国は‼


『呆れ返ってものも言えぬわ。この後はこの国の国民に判断を任せよう。自由資本主義陣営に残るか?社会主義独裁政権に行きたいか?国民投票で決めるが好かろう。それが決まるまでどっちの陣営の影響も及ばぬようにバリアーを張っておく。不正が起きないように、我が魔王国から魔人達を選挙管理委員会に配置しておこう。もしも不正が発覚した場合には、有無を言わさず関わった者は処刑する』

そういって俺は我が家に帰って来た。どっと疲れた。

その後、その国がどうなったは我は知らん、興味も無い。

 大魔王の我を精神的に疲れさすとは人間おそるべし。


 そうだ、お気に入りのあのむっちりお姉ちゃんの膝枕に癒されよう。


続く

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