静かな疲れや、ふとこぼれた弱さにそっと寄り添う物語。小さな世界の描写は、不思議とあたたかくて、胸の奥をやさしくゆるめてくれる。閉じたページのその先にも、しずかなやさしさがふわりと残るような一篇。……静かな力をくれる物語。そっと思わず願ってしまう。彼らの未来に、祝福を。
小さくなったクラスメイトと、気が付けば自分も小さくなった。辛いことや苦しいことがあると、どうやら夢のように細やかになるらしい。普通に生きていくには、この世界はちょっと広くて大きすぎる。限られた幸せ。でも、二人以外の誰かもいて、広いからこそ幸せも広がる。疲れたら少し休もうよ。そんな優しいファンタジー。
この文が最高でした。