第2話

「香ー!おはよう!」

「おはよう、りな!」

霜月香。ヴィオラをやっているりなの友達だ。

「ねえねえ、室内楽部を作ろうとしているんだけど、入らない?」

「室内楽部?」

「そう。香、ヴィオラできるでしょ?だから、どうかなと思って」

「はいらない」

「えっ」

「わたし、一人で演奏するのが好きなの。だから、入らない」

「そんなこと言わないで、一度放課後に音楽室まできてほしいの。ねっ、おねがい」

「そんなに言うなら…」



放課後。香は音楽室をのぞいてみた。そこには、りなと望がいた。

「はじめめして。井上望です。担当はヴァイオリンです」

その時、香の表情が一瞬曇った気がした。

「わたしはピアノ。香はヴィオラができるんだよね!」

香はうなずいた。実は香はヴァイオリンをやっていたこともあり、途中で挫折したのだ。だから望がうらやましくて、たまらないのだ。

「ためしに一緒に演奏してみませんか?」

香はうなずいた。


演奏が終わった。香は久しぶりに合奏を楽しく思えたらしい。

「わたし、やってみます!」

「わぁ…!ありがとう、香!」

りなが嬉しそうに香に抱きついた。

こうして室内楽部は3人となった。

あとはチェロだけだ。

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