第二話 艶のある黒色

 ホームルームが終了し、クラスメイトは帰宅の準備を進める。


 私の右斜めに見える彼は、プリントを挟んだファイルをバッグにしまい、腰を上げる。


 私が何気なく彼を眺めていると、自分の心が呟く。


(この子は、どんな女の子が好きなのかな……)


 彼の秘密を探ろうとする私の心は徐々に、邪悪な気持ちが一切含まれない艶のある黒色に染まっていく。


 私があれこれ考えているうちに、視線の先にうつる彼はバッグを左肩にかけ、教室を後にした。

 

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