第2話 正体『未完猫又』
「…ぅぁああ"ああっ!!!!!!?」
と僕は腰を抜かしてしまった。
そりゃそうだ天井から猫耳生えた女の子なんて
どこの漫画にありそうな展開なんだ。
「お〜お、おめぇさん大丈夫かい?にしても
さっきのさーもん?とやらをあんがとうなぁ。」
天井からくるっと一回転しまるで猫のように無音で床に着地するとにへっと笑った。
そいつの見た目はセーラー服をきた黒髪パッツンの
女の子。目は黄色でギョロッとしている。
声は鈴のように高くリンとしている
口調はおばあちゃんのような…っていうか…!!
「なんでここにいるんだよ!!不審者!!」
「おーお、不審者とは聞き捨てがたいのぉ。
わたしゃ、おめぇさんに勝手に連れてきたというのにのぉ」
「なんのことだよ!?」
「まーだわからんのかい?」
とニヤッと笑う。その笑顔は『人間』では絶対にできない笑顔だ。
「わたしゃ―あの猫だよ?」
とイタズラっぽく言った。
僕は今までの流れから全てが紐付いた。
寒いのに白い息が出ない、体温も上がらない、
さらには人間のような目。
やっぱりあの猫は…人間じゃない。
「じゃあ、お前はなんなんだよ…!」
「…わたしゃ、『未完猫又』だよ。」
みかん…ねこまた?なんだそれは聞いたことがない
猫又は聞いたことある。尾が2本ある猫の妖怪だ。
…!?妖怪!?
「お前…妖怪なのか?」
「んー、その答えを出す前にのぉ、
お前さんの後ろにいる獰猛なゴミを排除せねばのぉ?」
「は…?」
と驚く隙もなく、未完猫又が素早く動き
僕の頭をぐいっと下げた。
「っ!!?」
勢いに倒れ込み、後ろを見る。そこには
妖怪…、いやデカい。鬼の妖怪だった。
鬼が放った爪痕が僕の部屋の壁を貫通しているのがわかり僕は恐怖に震えた。
「きひゃひゃひゃ!!!強い気配を感じたと思ったら、ここで出会えたのも運命!あの有名な未完猫又じゃねぇか!」
「ひっ…」
「あ"あ?人間か?俺たちが見えてんのか?
こりゃあ都合がいい!人間も一緒に食えるじゃねぇか!」
圧倒的な強さ、そしてそのデカさは桁違いだった
「お前さん喋り過ぎのぉ。煩いわい」
すると未完猫又は床を蹴り、ふわりと空気を切り裂くように顎を吹き飛ばした。
「ありゃ、首を狙ったんだが…おぬし幸運じゃのぉ。わたしゃも年取ったのぉ。」
「ぐぎゃあああああああっ!!!!!!」
「煩いわい、そんなに叫ぶ余裕があんなら、さっさと地球の養分となりな」
と、未完猫又が腕を振るうと鬼の首はあっという間に吹き飛び焦げたかのようにチリに消えていった。
「いや、待って突っ込みたい所いっぱいある!
まず壁と血痕どうしてくれるんだよ!お母さんに怒られる!」
未完猫又はすっ…と切り裂かれた壁を見る。
すると壁の切り裂かれたあともなくなり、床を見ると先ほどまで争っていた跡や血痕も消えた。
「な、なんだよ…なんだったんだよ…」
「そうじゃのぉ…何から説明すればよいか…」
アセアセとしている未完猫又を見て我に返った
いっぱい質問したいがこれだけは聞きたい。
「…君は何者なんだ。」
「…。」
瞳孔が大きく開きこちらをキョトンと見つめる
すぐに元に戻りニヤッと笑う
「わたしゃ、『コン=ナギ』。未完成の猫又じゃよ。」
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