第39話 往復前夜
朝のグラウンドは冷たい霜で白く光っていた。
久しぶりにユニフォームを着た俺は、肩のサポーターを外し、少しだけ緊張しながらストレッチを始める。
(やっと……戻れるんだな)
黒木、川越、本田がそれぞれ軽く声をかけてくる。
「晃大、肩大丈夫か?」
「無理すんなよ」
嬉しいけど、胸の奥がちょっとモヤモヤする。
(14日間、何もできなかったんだ……)
まずは全員でランニング。
脚が久しぶりに地面を蹴る感覚。
冷たい空気が肺に入り、体が少しずつ目覚める。
無尽蔵体力のおかげで、息はすぐに落ち着くけど、肩の違和感はまだある。
ランニング後、キャッチボール15分。
黒木の速球、川越の安定した送球、本田の軽快な球を受けながら、肩の感覚を確かめる。
(よし……まだ動く。守備職人、頼れるな)
その後、週ごとの練習に分かれる。
今日は「走り込み週」。一年生はひたすらグラウンドを走る。
俺は肩を意識して無理せずにランニングメニューをこなす。
(走るだけでも、気持ちは野球してるんだ)
投手候補はブルペンに移動。
元サードの高梨はストレートを中心にフォームを固める。
魔球スプリットを投げる大河内は、微妙な変化球の感覚を確認しながら球を投げる。
俺も投手の経験を活かして、捕手役として受けることに。
(肩、まだ完全じゃない……でもブルペンくらいなら大丈夫だ)
黒木が遠くから声をかける。
「晃大、ナイスキャッチ! 俺の速球、また頼むぜ!」
川越も「復帰初日で、もう頼れるじゃん」と笑う。
少しずつだけど、モヤモヤが胸から薄れていく。
休憩中、グラウンドに座って吐く白い息を見つめる。
(やっぱり、ここが俺の場所だ……)
デイリークエスチョンで止まっていたポイントも、少しずつ取り戻す日が来る。
肩の感覚、仲間の声、風の冷たさ。すべてが現実に戻ったことを知らせていた。
日が傾きかけた頃、ブルペン練習は終わり、全員で軽くキャッチボールをして終了。
「よし、今日のところはここまで!」
監督の声に、仲間たちと一緒に小さく頷く。
(明日も、全力でやる……絶対に取り戻すんだ)
佐藤晃大(斎木晃大)
プレイヤーレベル19
ーステータスー
技能:65
筋力:32
知能:30
ー野手能力ーー
弾道:1
ミート:30
パワー:28
走力:35
肩力:36(一時的に低下)
守備力:36
捕球:12
ー投手能力ーー
球速:106km/h (一時的に低下)
制球力:12
スタミナ:50
球威:12
ー変化球ーーー
・カーブlv.1
ースキルーーー
・守備職人
・絶不調波形
・粘り打ち
・バント○
・ノビ○
ーアルティメットスキル
・無尽蔵体力
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