第24話 伸びるステータス

土曜の夜。

迷いに迷い続けた心が、ようやく音を立てて固まった。

(……俺はやっぱり、シニアで戦いたい。)


強くなりたい。

もっと本気で野球がしたい。

悔しさも、熱さも、あのグラウンドに置いてきたままだ。


だから斎木は、シニアの連絡グループに返信した。


「日曜、行きます」


送信ボタンを押した瞬間、胸が軽くなった。


当日朝


シニアのグラウンドに足を踏み入れた瞬間、

懐かしい土の匂いが鼻を刺す。


「お、斎木。戻ったんか」

「試合来んの珍しいな」

「今日、相手強いぞ?」


仲間の声が次々に飛ぶ。

その一つひとつが嬉しい。

監督も斎木に短く目を向け、

頷くだけで言った。


「迷いを持ってくるな。それだけだ。」


斎木:「はい!」




ウォーミングアップ後、監督がメモを手に前に立つ。


「今日のスタメン、読み上げる。」


息が一気に静まった。


「九番……レフト……斎木」

一瞬、脳が真っ白になり――


次の瞬間、胸が爆発しそうなほど熱くなった。

(……マジか。スタメン……!)


横で宇治がニヤッと笑う。


「ほらな。ちゃんと選ばれとるやん。」


「……ありがとう宇治。」

拳を軽くぶつけ合った。


昨日の決断と共に、

斎木はパワーとミートに全てのポイントを振り切っていた。


ミート 20 → 30

パワー 18 → 28


筋肉が軽くなり、

バットの走りが明らかに違う。

振るたびに、金属音が想像できるほど鋭かった。


「斎木、スイング良くなったな。何した?」


宇治が驚いたように聞く。


斎木は苦笑しながら答える。

「……昨日、ちょっとだけ覚悟決めた。」



円陣の中心で、監督が短く言う。


「今日は“勝ちに行く”。

一年がどれだけやれるのかも、俺はちゃんと見ている。」


目が合った。


「特に外野。お前らの守備範囲と肩を信じて使ってる。

斎木、打席で迷うな。」


「はい!」


その声は自分でも驚くほど、強かった。


プレイボール直前

レフトへ走る斎木。

太陽が眩しく、風が頬を切る。

(ここが……俺の選んだ場所だ。)

胸が震えた。

(やってやる。)

グローブを鳴らした瞬間、主審の声が響く。

「プレイ!」

——そして、試合が始まった。


佐藤晃大(斎木晃大)

プレイヤーレベル12

ーステータスー

技能:65

筋力:32

知能:30

ー野手能力ーー

弾道:1

ミート:20(+10)=30

パワー:18(+10)=28

走力:35

肩力:12 (+24)=36

守備力:36

捕球:12

ースキルーーー

・守備職人

・絶不調波形

・粘り打ち

・バント○ NEW

ーアルティメットスキル

・無尽蔵体力


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