葉桜とサッカーボール
入学してから少し経った。高城と出会ったあの桜の木は葉桜が見ごろになっていた。もう授業ははじまり、部活も本格的にスタートした。
部活をはじめて、気づいたことが3つある。
まず1つ目は、…まあ予想していたとおりではあったが
「は?なんで?ドリブルむずくね?ボールが逃げるんだけど!!」
海崎はサッカーが壊滅的に下手だということ。初心者でもここまで下手なことあんのか‥ってくらいだ。そして、
「あっはは!違うよ海崎。ここはこうやって足使うんだよ、ボールのここに力をいれる感じで…そうそう。そしたらボールはこう動くでしょ?おお!上手じゃん」
晴希は教え上手だということ。失礼だけど、チャラそうって印象から頭はあまり良くないと思っていたが、意外すぎるほど晴希は頭いいうえに教え方がうまい。最後は
「ボールもーらいっ」
「は?やば!何その動き」
高城は天才的にサッカーが上手いことだ。自分で言うのもあれだけど、俺もサッカー強いと自覚している。幼稚園の頃からやっているからでもある。が、高城に聞いたところ初心者、らしい。「ん?入部したかった理由?なんか楽しそうだなって思ったんだよね」とか言ってきたときは若干殺意が湧いた。高校ではじめてなんで俺と互角かそれ以上の強さを誇れるのか。
まあそんなこんやで先輩方を差し置いて、俺と高城と晴希はサッカー部トップ3となった。
…と、なるとやっぱりいじりたくなってしまうわけで
「ちょいちょい、湊さーん?調子どうですかー?」
「うわっ!ムカつくわ。俺だって頑張ってますぅ」
「でも多分ベンチ…笑」
「うるせー!ねえ晴希ぃ!!こいつまじうざい!」
と、毎回晴希に泣きつく海崎で遊んでしまうのであった。
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