夢追い人
@shalabon
第1話 プロローグ 18歳の誓い
「おい、進路調査票になんて書いた?」
松岡圭太が、2人聞いた。
「俺は、稲田大文学部 小説家志望ってね。」
赤山
「おいおい。小説家はいらね~だろ。」
「修は、やっぱり小説家志望なんだ。賞に入ったもんな。」
「ジュニア小説グランプリ!まあ、佳作だけど。俺は、天才だと思う。自然に文章が天から降ってくるんだよ。」
「天才って、自分から才能あるって言うか?」
松岡は呆れたように言った。
赤山 修は、文芸部の部長。本気で小説家を目指している。
「そういう、松岡は?」
「俺は、もう書いた。筑駒大スポーツ学部からプロになる。」
松岡は、テニス部のエース。インターハイにも出場した。
「へえ。でもインターハイベスト32でプロになれるのか?だいたい、筑駒大だって入れるのか?スポーツ学部だって偏差値高いだろう。」
「痛いところを突くね~。プロはまあ今は無理だけど、稲田大は、セレクションに引っかかったんだ。本当は、実績ないから参加も断られたんだけど無理やり参加させてもらって、目立つことならんだでもやった。そした、監督が面白そうだって。」
「三井お前は?」
横で聞いていた男子に声がかかった。
「僕は、法学部。中都大の法学部って書いたよ。」
「へえ~。法学部志望なんだ?」
「うん、僕は、修みたいに自惚れた才能もないし、圭太みたいにずうずうしい根性もないし。父さんが銀行員だったらしいんだ。だから、なんとなく。」
「俊朗ぅ~お前、言うなぁ~。」
2人に突っ込まれて、三井俊朗は、頭をかいた。
「でも、お前の
「うん。でも、母さんが、父さんは立派なバンカーだ、って言ったのもあるかな。」
「よっしゃ。3人の夢は、決まったな。俺はプロテニス選手、赤山は、小説家、三井は、カリスマバンカー。俺たちは、夢を必ず実現する!」
松岡が力強く宣言した。
「カリスマは、無理だよ~。銀行員でいいんだよ。」
「いいんだよ。夢は大きい方がいいって言うだろ。」
3人は、顔を見合わせて笑った。
3人は、部活も出身中も違うが、高校3年間同じクラスだった。1年の時に、席が近かったことから知り合い、なんとなく気が合う仲間になった。
これから3人に、試練と苦難に満ちた人生が待ち受けているとは、誰も思いもしていなかった。希望だけが満ちていた。
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