まず、タイトルの「ナマケモノ」という比喩が好きです。内容は、児童虐待されている子供が主人公の物語。十代の逃避行って、それだけでそそられるものがあります。リアリティのある日常描写、会話に、とても心が揺さぶられました。現実問題として存在する社会問題ですよね。最後は、悲しいバッドエンドではありますが、筆者さまの熱く訴える気持ちを感じました。とても心に残る作品です。少しでも、こういう子供が減るといいな、という願いをこめて。是非、読んでみてください。
大人は何もわかっていない。身体に痣や傷がなくても、子供はいとも簡単に壊れてしまう。驚くほど壮絶なリアリティと共感性が表現されていて、思わず息を呑みました。このような、素晴らしい小説に出会えてよかったです。
ソファーで眠るナマケモノに、きっと何かを期待していた。ヤングケアラーとかネグレクトとか、社会の問題に真に迫る今作。実際にありそうな切実さが、胸に刺さります。物語でしか伝えられないことを、ぜひとも感じてみてください。