第5話「耐性」
タカシの試合で火がついたハルキ。
仇を討つかのような形相で試合会場へと出向いた。
対する相手。
1年C組、トキオ。
「こいつは同じ学年の漫画研究会の奴か…先輩に比べたら戦いやすいぜ!」
「負けんじゃねぇぞハルキ!」
「記憶の扉!開け!」
「第1試合第2回戦ハルキ対トキオ!始め!」
「よしまずは俺のターンだ!初っ端から行くぜ!」
 ̄球技大会のサッカーで2点決めた!
「800ポイント!」
「よし!どうだ!」
喜ぶハルキとは裏腹に冷静なトキオ。
「気をつけろハルキ!あいつに運動系のダメージは軽減されるらしい!」
「くそっ!耐性持ちか…!!」
人の個性によって耐性や弱点が存在する。
文系にとってスポーツ自慢は効果半減。
運動系にとって文化系は効果半減。
逆に効果が倍増することもある。
それら全てジャッジマンのへんけ…裁量次第である。
「いくよ…!」
 ̄アニメのくじでA賞が出た!
「ダメージ倍増!1300ポイント!」
「ぐはあっ!」
「お、おい!大丈夫か、ハルキ!ただのくじでどうしてそんなダメージが…!」
「もしかしてあいつ…!あのアニメの…!!」
ハルキの予想は的中した。
ハルキの好きなアニメのくじを2回目でA賞を引き当てたのだ。
「お、おいハルキまさかお前…!!」
「そ、そうだ…俺はそのくじを5000円も費やしたんだ。」
「そ、それを2回で…!!」
「いやぁラッキーラッキー!君らみたいに派手な思い出が無いからね…!耐性や弱点で戦わせて貰うよ!」
トキオは自分の持つ耐性や弱点を突いて火力を補う頭脳タイプのメモリスト。
単純に火力重視で戦うハルキとは対称の存在である。
「負けるなハルキ!お前の思い出はそれだけじゃないはずだ!」
「あ、あぁ…!まだこんなもんじゃないさ…!(しかしこのままじゃ…ジリ貧で負けるだけだ…何か何か手は…!)」
「一か八かだ!」
ハルキはカードを叩きつけた。
 ̄小学生の時、片思いの子と腕相撲して手を握った!
「異性カードか…!で、でも相手は耐性があるんじゃ…!!」
心配するタクト。
「…」
悩むジャッジマン。
「どうだ…!」
「…!2800ポイント!」
「きたあああ!大ダメージだ!」
自分の事のように喜ぶタクト。
ハルキは拳を小さく握る。
「う、うぅ…!」
困惑するトキオ。
「ま、まさかトキオは…!」
タクトの予想通り、トキオは嫉妬していた。
生まれてこの方、異性との絡みもないため、たった一つの触れ合いがダメージを倍増させた。
その後異性攻撃で戦ったハルキは1回戦を突破した。
続く
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