久留米はんてん

すっかり寒くなった。




たしか去年は11月末も暖かかったような。

秋の来ない11月──。

それでもって“地球の未来”を心配していたような。


今年は今年で、秋をすっ飛ばしたような寒さの到来に、これもまた”地球の未来”を心配してしまう。




龍田姫の、袖を振る間もないせわしなさ。




こう寒くなると、家の中で過ごすのに欠かせない、わたしを包み込んでくれる相棒。


──久留米はんてん。


欠かせないと言って、去年からの付き合いである。


綿が入っていて、上半身はぽかぽか。




わたしという人間は、“日本製”というのに弱い生き物。


地名まで入っているのであれば尚更良しとなる。




とはいえ、今の、そしてこれからの日本の伝統的なものは、made in Japanだとしても手を動かしているのは海外の方──ということが増えているようだ。




“日本製”を手にして、「そうそう。これよ、これ」なんて満足して使ってるだけのわたしなんぞより、もしかしたら従事する彼らの方が、「日本の伝統」により深く心を寄せているかもしれない。



なにはともあれ、あったかい。

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