深層より

未影ミオト

プロローグ

私が書くのは、物語ではない。


「面白い話」を求める者。

「心の癒し」を望む者。

そのどちらであっても。


無理に潜る必要はない。


これは、

読む者によってかたちを変える、

そうだな……

いうならば、一種の。


“深度の装置”だ。


沈み方によっては、

頭痛や眩暈に触れる者もいる。

それだけは留意してほしい。


……さて。


覚悟のある者は、共に沈もう。


だが。


私は防人。

入り口に佇むだけだ。

そこから先は、君次第。


きっと長い付き合いになる。

よろしく。

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