第三章
プロローグ
ここは荻窪セクトダンジョン第20階層
第21階層への階段手前の広場
「……オレ達は『シビリゼ』。『アルジェント』、テメェらをぶっ潰してやるから今すぐ荻窪セクトダンジョン20階層まで来てみろや!」
コメント:何なん?コイツ
コメント:しらね
コメント:アルジェント潰すって?
コメント:そもそも見てるのか?
唐突に始まった配信といきなりの宣戦布告に困惑する視聴者。
『シビリゼ』。
一応彼らも紺青なのだが、如何せん『アルジェント』と違って知名度はない。
日本全国にファンがいる『アルジェント』と違い、彼らの活動域は狭い。
そんな要素もあり、視聴者達は彼らが何をしたいかもどのような連中かも分からないまま配信を見ている。
「『アルジェント』は調子に乗り過ぎてんだよォ。大したことねぇってとこ見せてやるよ」
コメント:僻みか?
コメント:お前らよりは立派だろー
コメント:数字稼ぎか?
「うるせぇな!」
配信しているとは思えないような物言いにコメント欄もヒートアップしていく。
◆◆◆
しばらくしても来る気配のない『アルジェント』に痺れを切らす『シビリゼ』のリーダーコウガ。
後ろにいる仲間たちも苛立ちながら、座り込んだり、貧乏ゆすりしたり、と一様にストレスが溜まっていく。
コメント:なんか進展あった?
コメント:ぜーんぜん
コメント:コイツラ配信しているの分かってるのか?
コメント:もうやめたら?
「うるせぇ!」
ここまで来たら、引き返せねェとコウガは『アルジェント』を待つ。
そこに足音が響いてくる。
「やぁ、またせたね」
コメント:キターーーッ
コメント:プツ巻き最高!プツ巻き最高!
コメント:ようやくか…
コメント:結構かかったな…
「よく来たな、歓迎するぜ!」
心なしか嬉しそうなコウガ。
ソレを見ながら、プツ巻きは問いかける。
「それで、オレたちをわざわざ指名したのはなんでだい?」
「そりャ、てめェらが最近調子に乗ってるから灸を据えてやろうかなと思っているだけだぜ」
「別に調子に乗っているわけじゃないんだけどね…」
「うるせぇ!おら、とっとと構えろや!ぶっ潰してやるよォ…!」
「オレたちは、キミ達を捕縛しに来たんだけどね…」
『シビリゼ』と『アルジェント』の戦いがいま始まる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます