第一章

プロローグ


俺は名前は藤原ふじわら達也たつや、『ホットサマー』のリーダーだ。

メンバーは4人。

白群になったばかりの新人だが、活躍していつか紺青になってやるぜ!

ドローンカメラを使って撮影する。


「これが俺達のデビュー戦か…、気合い入れて行くぞ!」

「「おう!」」

「「ええ!」」


今日は渋谷ニマルダンジョンに来ている。

ここは、獣型の魔物が出てくるダンジョンだ。


「来たぜ!早速お出ましだ!」


前方からは2体のウルフ。

ダンジョン局では、基本的に一体ずつ倒すのがセオリーと教わった。


「…ッ!」

「行くぜ!」


まず、前衛の快斗かいと蓮二れんじが飛び出す。


「風よ、矢を飛ばせ」


ビュッ!


「グルゥ…!」


俺の風術がすずのクロスボウの矢の勢いを上げる。

右のウルフの左目を掠める。


「オラァ!」


蓮二の拳がウルフの左頬を捉える。


「キャインッ!」

「風よ、纏え。蓮二に」


緑の風が蓮二の拳に集まる。


「唸れ!竜巻拳!」


仰け反っていたウルフは回避せずに殴り飛ばされる。

その姿に、左のウルフが一瞬動きを止める。


「意識を逸らすなよ」


快斗の剣をかろうじて避けるが、


「火よ、燃やせ!ウルフへ!」


真凛まりんの火球が回避したウルフの横腹に当たる。


「…ガゥァッ!」


堪らず、動きを止めるウルフへと、快斗の剣が間髪入れず迫る。


◆◆◆


数分後、塵となっていくウルフを見ながら、5人は一息つく。


「まぁ、初戦としては良いほうじゃないかな…」

「んだなぁ、もう少し経験積めば余裕でイケるな!」


塵が素材の牙になったのを確認してから、手に取ると達成感が浮かぶ。

これが、初の報酬になると思うと嬉しさが込み上げてくる。


「んじゃ、先に行くか!」


少年達の足取りは軽い。

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