第13話 フォールの拠点にて5
その吸血鬼の容姿は身長は推定157センチメートル、髪型は水色の縦ロールで瞳の色は水色、黒のゴスロリ衣装を着ていて、靴はブーツ、胸の大きさは大きい。
年齢は推定25才。
この強烈キャラがもしかすると、名前がここで出ていたフォールの幹部らしい、マノ・ディデイアかも。
「自己紹介しておこうかな! わたくしは──」
「マノ・ディデイアだろ?」
イレクが首筋を左手で揉みながら、言った。
「えー!? なんで、知ってるの!?」
なんか、読み当たった。
まあ、考えられる候補がマノしかいないというのがあるけど。
「こっちはな、そっちの情報大体、仕入てんだ。それに黒のゴスロリ衣装着ているフォールのヤツなんてお前しか居ないらしいしな。それにこの拠点待機している残りのヤツ……それにその雰囲気、ゼロの濃度も濃い、後……。あ、リリには説明して忘れたが経験を除いて、吸血鬼としての強さが決まる要素の最後、三つ目の要素がある。何か分かるか?」
「あれ、わたくし、おいてといてされてる……?」
マノは戸惑っていたが、イレクは気にせずこちらを向いた。
「えっと……素質ですかね?」
「あれー!? 新人くんもー!?」
マノはビックリ、己でも実は内心ビックリだが、フツーに返せた。
「アタリだ。つーか何でそれ分かったんだ?」
「……なんとなくですよ。というか、聞いてきたのそっちじゃ……?」
彼はギクッと体を震わせるが、すぐにいつもの姿勢に戻る。
「ま、まあ、そうだな。だが、やはり人間時、それに吸血鬼の子供なら生まれた時にある、ソイツが吸血鬼として、どれだけの強さを持つのかっていう吸血鬼としての素質が分かるらしいし、強い吸血鬼も一定のラインを越えた強さなら素質を理解でき、そんな素質のあるヤツを支配下に置く……そして、マノ・ディデイア。お前……吸血鬼としての素質が相当人間時あったんだろ? それをお前らのトップはとっても喜んで、お前を吸血鬼にして、すぐに幹部まで登り詰めさせた。間違いないな?」
なんか、『とっても』の部分はマノに煽り立てるような声色だったが、特に相手は反応しない。
「大当たり。やるね」
「どうも」
「そっけないなー」
「敵同士だ。当たり前だろ」
「まあ、そうか──でもね、君の今までの発言に一つ付け足すと……」
マノは前に歩き、死んだ仲間の男吸血鬼の体を拾い上げ、口の上まで上げ、落ちてくる血をがぶ飲みした。
「──吸血鬼の強さの大事な要素四つ目!! なんでしょう!? でも、正解は言わせません!! ちなみに正解はもうお馴染み“能力”です!! 後、吸血鬼の血はまずいし、栄養価ありません!!」
──イカれた口調で彼女は言いながら、リリを右人差し指で指さし、その直後、リリは。
今まで味わったことの無い、重力に襲われ、地に叩きつけられるように体が落ちる。
「リリちゃん!!」
「「リリ!!」」
三人が汗を一気にかきながら、声を上げた。
「うっ……ぐっ……!! う、動けない……!?」
もがいてみるが、全くダメだ。
あまりにも、体が重すぎる。
鉛なんてレベルじゃない。
例えるなら己の体は現在、超重量の砲丸だ。
……大砲はよくこんな重さの砲丸をあそこまで遠くにとばせるのか、と感心してしまう程、逆に余裕ができる。
逆に余裕ができるのはリリの経験上、あるいはリリの思考状、死にそうになった時の思考状態だ。
「あらあら、つらそー。まあ、ちなみに一人に対してしか一度に使えないんだけどね。わたくしの重力は……あっ!? やっちゃったー!!」
「リリには悪いが、今の内に仕掛けるぞ!!」
「「了解!!」」
イレクの一声と走りで二人もマノに向かって駆け初める。
もちろん、三人とも血の球体を造り出しながら。
「ごめんね、リリちゃん!! ちゃんとサンドイッチ作るから!!」
ならいいか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。